5月の米雇用250万人増、失業率は13.3%に改善

新型コロナによる景気後退から「底打ち感」

5月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比250万9000人増となり、失業率も予想外に改善した。写真は5月18日、マイアミで撮影(2020年 ロイター/Marco Bello/File Photo)

[ワシントン 5日 ロイター] - 米労働省が5日発表した5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が一転増加に転じ、失業率も予想外に改善した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が招いた景気低迷からの回復には時間がかかる可能性があるものの、底打ちの兆しを示した。

失業率は13.3%と、戦後最悪だった4月の14.7%から改善。市場予想は19.8%だった。

非農業部門雇用者数も前月比250万9000人増と、エコノミスト予想の800万人減に反しプラスに転じた。4月は約2070万人減と、1930年代の大恐慌(グレート・ディプレッション)以降で最大の落ち込みを記録していた。

MUFGのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「パンデミックとそれに伴うリセッションの峠は越えた」としつつも、「前回の景気後退期と同様、景気が回復し、十分な雇用を生み出すまでに数年かかるだろう」と述べた。

トランプ大統領はツイッターに「実に素晴らしい雇用統計だ。トランプ大統領は良い仕事をしている(ジョークだが事実だ)!」と投稿し、11月大統領選での再選を視野に雇用情勢の回復を自身の功績とした。

しかし、就業者数はなおコロナ危機前の水準を約2000万人下回る。失業者数は2月以降9.8%ポイント上昇し、失業者数は1520万人増加している。

また、5月の就業者増加分の5分の2をパートタイム就業者が占めたほか、白人層の失業率が14.2%から12.4%に低下する一方、黒人層では16.8%に小幅上昇するなど、回復が一様でない様子も示された。

労働省・労働統計局(BLS)は、雇用統計調査で回答者が「一時解雇による失業」ではなく、「一時解雇中だが就業」と回答するなど集計上の問題があることを指摘。こうした問題を除くと、5月の失業率は約16%に達していた可能性がある。

エコノミストの間では、失業率が5月にピークに達したものの、11月の大統領選時点でなお10%超の水準に高止まりしているとの見方が大勢。

現在は職を探していないが働く用意のある人(縁辺労働者)や正社員になりたいがパートタイム就業しかできない人を含む広義の失業率(U6)は21.2%と、前月の22.8%から低下した。

米政府が打ち出した中小企業向け給与保護プログラム(PPP)が雇用情勢の好転に寄与したかどうかを巡り懐疑的な声も聞かれる。

元米連邦準備理事会(FRB)理事でシカゴ大学教授のランダル・クロズナー氏は「特定の業種や多くの企業は消失し、それに伴い多くの職も失われる」と述べた。

5月は業種別ではレストランなどの外食関連の就業者数が140万人増と、4月は540万人減から持ち直した。

建設は46万4000人増加し、4月の減少分のほぼ半分を取り戻した。

教育、小売業、製造、金融サービスなどの就業者数も軒並み増加した。

一方、政府部門は58万5000人減。新型コロナ対応で州・地方政府の予算が圧迫されていることを反映した。

情報、鉱業、輸送関連も減少した。

労働参加率は60.8%と、73年以来の低水準となった前月の60.2%から上昇した。

経済の雇用創出能力を見極める指標とされる人口に占める雇用者の比率は52.8%と、過去最低となった前月の51.3%から改善した。

時間当たり平均賃金は前月比1%減と、前月の4.7%増からマイナスに転じた。前年比では6.7%増と、前月の8%増から鈍化した。週労働時間は34.7時間。4月は34.2時間だった。

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