ガソリン車で燃費トップ奪取、トヨタの危機感

ハイブリッドだけでは戦えない

「パッソ」の発表会には女優の水川あさみさん(右から2番目)、キャイ~ンの天野ひろゆきさん(同3番目)が登場し、PRした

トヨタ自動車は4月14日、小型車「パッソ」をマイナーチェンジした。燃費性能はガソリン1リットル当たり27.6キロメートルと、三菱自動車の「ミラージュ」(27.2キロ)を抜き、軽自動車を除くガソリン車で国内トップとなった。価格は109万8655円~。

新しいパッソは4月10日に発表した新型エンジン群の一つを搭載した車だ。新型エンジン群は燃焼改良と損失低減により、世界トップレベルの最大熱効率を達成。1リットルエンジンの最大熱効率は37%、1.3リットルエンジンは同38%(従来型は両方とも35%)となった。これにより、新型の1リットルエンジンを搭載したパッソの燃費は従来の21.2キロメートルから3割向上している。

「エンジンバルブのバネの巻き数にもこだわるなど、小さい改善を積み重ねた」と、パッソ向けのエンジン開発に携わったエンジン企画2グループ・渋谷茂伸主査は燃費改善の苦労を語る。

今回のパッソに搭載した1リットルエンジンと1.3リットルエンジンを皮切りに、2015年度末までの2年間で合計14種類の新エンジンを一気に展開する。14種類の内訳は排気量3リットル以上の大型エンジン、ターボ(過給器)、直噴、ディーゼル、ハイブリッドシステムなどが含まれ、どれも従来型比10%以上の燃費向上を見込む。トヨタがグローバルで販売する約3割(台数ベース)の車に搭載する予定だ。

価格が高いハイブリッド

「ハイブリッドを優先してやってきたが、それ以外を求めるお客様もかなり残る。他社が必死でハイブリッド以外の競争力を上げてくる」と、ユニット統括部パワートレーン企画室の足立昌司主査は危機感をあらわにする。

ハイブリッドシステムはガソリンエンジンと比べて燃費はいいが、開発や製造にかかるコストがかさむため、販売価格も高い。たとえば、トヨタの小型ハイブリッドカー「アクア」(排気量1.5リットル)の燃費がガソリン1リットル当たり37.0キロで174.8万円。それに対して、マツダのデミオ(同1.3リットル)の燃費は1リットル当たり25キロとアクアに劣るものの、価格は138.8万円と安い。

燃費と価格差のバランスを考えると、必ずしもハイブリッド優位とはいえない状況だ。ハイブリッド車の人気が高いのは、日本と米国。欧州や新興国ではそれほど普及していない。

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