コロナ禍の父親「仕事と家族が地続きになる」 食事は家族と一緒の「新しい日常」を生きる

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山崎:今後リモートが定着していくと、通勤などの移動がなくなる分の時間をさまざまなことに使えますよね。今回のコロナ禍で家族と過ごしたり、勉強したり、やりたいことをやる時間を作りやすくなったわけですから。この経験はこれからの仕事や生活のあり方をガラッと変える事象だったと感じています。

ただ、一方ではやりたいことがない人や自分から行動を起こすのが苦手な人にとっては順応するのが難しい面もあるかもしれないとも思います。

:家族と一緒に過ごす時間のよさは、私も再認識しています。例えば出勤していたときのランチは近くのコンビニで買って食べていましたが、なんだかんだ30分ぐらいかかっていて。今はそれと同じ時間を使って家族と毎日お昼ご飯が食べられています。リモートワークになったことで時間が捻出され、家族とのコミュニケーション量が増えました。これによって幸福度が上がると多くの人が認識し始めたのではないでしょうか。

田所:私も夫婦双方が在宅で働いたことで、18時に家族全員でご飯を食べられるようになりましたが、これは通勤が当たり前だった社会ではあまりなかったことですよね。家族のよさってこういう瞬間だよなぁっていう感覚を多くの人が持ったと思います。

そういう意味では、「家族団欒ができないような働き方を強いる会社なんてありえない」という考え方を持つ人が増えていくように思います。これまで「ノー残業デー」だったのが「ノー通勤デー」になることもあるかもしれない。家族の時間をより取れるような働き方をしようという空気が出てくる予感がします。

働き方をポジティブに変えるきっかけに

小山:家族の時間や自分の時間を積極的に持とうとする動きが加速するのはいいことですよね。働きすぎだった日本人がそれぞれのライフにしっかり目を向けるいい機会になりますから、こういう空気が広がっていけば、男性の育休取得率ももっと上がる気がします。昭和の精神論ではなく、共に働き共に育てることがもっとポピュラーになるといいですよね。

青地:強制的にオンライン化が進んだことによって、働き方や共働きのあり方をポジティブに変えていくきっかけになったと感じています。まず、働く個人はより柔軟な働き方ができる環境に身を置こうとしたり自分で作ったりと、自分の望む働き方を模索する人が増えそうですよね。そういう動きが加速していくといいなと思います。

それからアフターコロナでは、家庭だけでなく組織においても、「共に働く」が大事なテーマになると思います。いま、お子さんがいて限られた時間しか働けない方や、副業や兼業をしている方をオンラインでつないで仕事をしています。働き方が多様化する中で、改めて新しい組織のあり方について考えるきっかけにもなりました。

天野 夏海 編集者、ライター

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あまの なつみ / Natsumi Amano

フリーランスの編集・ライター。 主なテーマは「働く」と「女性」。「Woman type」「20's type」「エンジニアtype」などで企画・編集・執筆中。「がんアライ部」事務局メンバー。「アルムナビ」編集長。

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