妻への小遣い交渉「下手な人」「上手な人」の大差 一番やってはいけないのは「勝ち負け」を争う事

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「勝ち負け」という概念は、一定のルールのもとで争うからこそ生まれる概念です。その典型が、スポーツでしょう。あるいは、国家間の戦争でも、片方が降伏することにより、勝ち負けが決まります。

ですが、交渉は、このようなルールに基づく勝ち負けを決めるものではありません。交渉とは「自分の抱えている問題を解決する手段」です。自分の抱えている問題さえ解決すれば、それでいいのです。

相手の問題が解決するかどうかは、こちらには関係ありません。相手が勝ったと思おうと、負けたと思おうと、こちらにはどうでもいいことなのです。交渉を勝ち負けという対立構造でとらえてしまうと、交渉相手は敵となります。

しかし、交渉を自分の抱えている問題を解決する手段ととらえれば、交渉相手は「自分が陥った状況を解決するためのパートナー」となります。

なぜなら、相手と合意をしないと、いま自分の抱えている問題を解決できないから、交渉しているのです。人は、相手に勝つために交渉するのではありません。

「自分がより幸せに生きるため」あるいは「危機を脱するため」や「自社の利益を最大化するため」などという、それぞれの目的を果たすためにするのです。そう考えると、交渉というものに対する見方がガラリと変わってきます。

妻を敵に回しては意味がない

たとえば、家庭での場面を考えてみます。お小遣いアップをしてほしいと思っている夫がいて、妻に交渉したとしましょう。対立構造で交渉すると、次のようになります。

夫「お小遣いをアップしてほしいんだけど」
妻「いや、ムリだよ。生活費、いまでもギリギリだもん」
夫「なんだよ。そもそも、俺が働いて稼いだ金じゃないか!」
妻「家のことは全部、私がやってるじゃない。家事もほとんど手伝ってくれないのに、週末はジムに行ったり好きなことしてるし。家事には休みなんてないんだから!」
夫「お前だって、友だちと優雅にランチに行ったりしてるじゃないか! その金だって、俺が払ってやってることになるんだぞ!」
妻「は? 何それ! 本当はもっとランチに行きたいけど、ずっと我慢してるのに! このあいだ行ったのがどのくらい久しぶりだったか、あなた知ってるの!?」

これでは、とても夫が要求を通すことはムリです。それどころか、お互い感情的になり、愚痴の応酬になって、その後の結婚生活にも影響するでしょう。

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