「ACジャパンのCM」コロナ禍でも重宝される拠所

大喪の礼、震災以来となるテレビCMの緊急事態

コロナ禍にテレビCMも大きな影響を受けている(写真:0meer/iStock)

緊急事態宣言以降、社会・経済活動が制限を強いられるなかで、企業活動の重要なツールである「広告」にも大きな影響が出始めた。それに呼応して民間放送の収益基盤であるCMも、出稿中止などの事態が表面化している。

かつてはCMがテレビ画面から消えることは想像できなかった。ところが、昭和から平成で1日中1本のCMも流れないという「CM空白の日」が2回起こった。

1度目は大喪の礼。1989年1月7日~8日の2日間。昭和天皇の逝去という大きな時代の変わり目に、テレビは粛々と特別番組を流し、すべての広告主がCMのオンエアを中止し喪に服した。

2度目は東日本大震災。2011年3月11日〜14日である。空前絶後の大震災と津波。すべての広告主がCMのオンエアを自粛した。CMを止めるのは広告主の意向だが、この2回の「CM空白の日」は、国民のほぼ全員が納得する緊急事態だったと言える。

危機感がやっと出たのはクルーズ船の停泊から

さて、このたびの新型コロナウイルスの場合はどうだろう。違う現象が起こっていた。中国・武漢で新型コロナの感染が確認されたのは今年の1月7日。日本はこのニュースを「対岸の火事」と捉え、テレビ画面にはまだ正月広告や「東京2020」の支援CMが華々しく流れていた。

『GALAC』2020年7月号の特集は「新型コロナと退治せよ」。本記事は同特集からの転載です(上の雑誌表紙画像をクリックするとブックウォーカーのページにジャンプします)

トヨタイムズ「豊田社長 車中取材」では、トヨタの豊田章男社長が意気揚々とクルマ愛を語り、ミツカン「未来ビジョン宣言」は、「やがて、いのちに変わるもの」という企業ビジョンを宣言し、アサヒスーパードライ「桜の下で、エール」は、もうすぐ訪れる満開の春と乃木坂46という華やかな世界を披露していた。

少しずつ状況が変わってきたのは1月後半である。武漢で都市封鎖が行われ、1月30日には日本人帰国者が第一便チャーター機で到着。2月になり、春節での中国からのインバウンド旅行客を入国制限。かたやダイヤモンドプリンセス号が横浜港に停泊される。3712人の乗員・乗客が船内隔離される事態に、やっと国内でも危機感が高まってきた。対岸の火事がこちらの岸に及んできたのだ。だが、CMは「何事もなかったかのように」流れ続けていた。

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コロナ危機の自動車部品メーカーへの影響は、過剰な設備と人員を抱えていた日産系でとくに深刻。比較的堅調だったトヨタ、ホンダ系も無傷ではありません。世界レベルでの技術開発競争は激化の一途で、生き残りへの再編と淘汰が始まろうとしています。