コロナ後に「指示待ち社員」が絶滅する根本理由 ユニクロと米海兵隊に通じる「成長の方程式」
また、そして、ユニクロでは、「あなたは何者ですか? あなたの志はなんですか? 人生で、ユニクロで何を成し遂げたいのですか?」という言葉を、柳井社長から、上司から、時には部下から、そして自分自身によって、つねに問いかけられるという。
まずは個人の「志」に焦点を当てること、そしてそのような環境に身を置くことが、組織全体を強くし、世界企業として勝利をつかんだユニクロの方程式なのである。
読者に寄り添う「監督」のような本
理論的で濃密な内容の詰まった1冊だが、本書のいいところは、大上段から講釈するのではなく、宇佐美氏自身がまだ何者であるかも自覚していなかった頃からの物語を、飾ることなく赤裸々につづりながら論を進めているところだ。
自らを「あげまんコンサルタント」と表現する宇佐美氏だが、これほどさらけ出しながら、1冊の本を通して読者に寄り添い、懇切丁寧に、それでいて軽快で親しみやすく、そしてちょっと暑苦しく語りかける様子は、まるで箱根の山を駆け抜ける選手の後を軽自動車で追いながら、四六時中熱いメッセージを投げかけ続ける、駅伝監督のような存在にも感じられる。
初めて宇佐美氏を知る人でも、キャラクターを感じ、時に共感し、時に仰ぎ、時に連帯を感じながら、自分を見つめる時間が得られるだろう。宇佐美氏は、成長に制約をかけているのは自分自身だとも指摘している。壁や殻というものは、「そんなこと自分にできるわけがない」というネガティブ・パラダイムによって作り出されているものでもあるのだ、と。
自分自身の成長を妨げているものは、いったいなんだったのか? そう思いをはせながら深層心理にスポットを当ててみるだけでも、「ガツン」とやられるような読書体験になるかもしれない。読み終えたとき、衝撃を受けたその場所には、きっと熱い灯が燃えていることに気がつくだろう。
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