もし弁護士さんに相談できるなら、聞きたいこと
──このアンケートでは、「弁護士さんに相談できるなら、何を聞きたいか」という項目もありました。いちばん多かったキーワードは、「パワハラ」「セクハラ」という言葉でした。
宇都宮:「パワハラ」「セクハラ」に関しては、先ほどの暴力行為などは刑事事件になる可能性もありますので、「日本労働弁護団」や各地の弁護士会の法律相談センターなどに相談するべきですね。 社内だけで上司への直訴とか調整で何とかしようと考えても、自分の立場が悪くなるだけという可能性もありますので、法的手段に訴えるのがいいと思います。
自分の権利を守るために、労働基準監督署、都道府県の労働相談所(名称は各自治体で異なる)、首都圏ユニオンなどの労働組合、とにかく使える機関はどんどん積極的に使っていく。ひとりで悩まずに、専門家に相談をする。それが脱社畜への道につながると思います。
日野:残業したのに、タイムカードに記録が残らないように押させない、という話も聞いたことがありますね。
宇都宮:逆に、いったん帰宅のタイムカードを押させられて、その後、サービス残業させられている人もいます。いずれのケースももちろん違法です。こういう行為は泣き寝入りせず、自分で勤務時間のメモを取っておくなりして、駆け込み寺的な場所で相談し、問題を表面化させなければなくなりませんね。
日野:そうですね、まさしく「権利の主張」が、脱社畜への道の重要なキーワードだと思います。よく会社では「権利ばかり主張するな」と、新人などは上司から怒られます。権利ばかり主張するやつは一人前の社会人ではない、と。しかし本来は逆で、「自分の権利を把握し、適切に主張する」ことは、とても大事な社会人としての心得なのだろうと考えています。
もうひとつは「会社とは契約しているのだ」、という意識もしっかりと持ってほしいと思いますね。著書では「会社は取引先」と書いています。つまり、「会社と社員は対等な関係にある」ということです。これがないと、会社に雇ってもらっている、という意識ばかりに引っ張られて、気がつくと「社畜」になっていた、ということになりかねないと思います。
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