航空機向け炭素繊維、苦節50年の「離陸」


 欧米勢のほかに、三菱航空機の次世代小型旅客機「MRJ」が、小型機では「初めて主翼、尾翼に(炭素繊維との)複合材を本格採用」すると標榜。航空機向けの内装材にとどまらず、構造材への納入実績を作りたい三菱レイヨンは、三菱航空機へ出資。

だが09年9月にMRJの機体仕様を確定した結果、主翼を派生型を作りやすい金属製へと変更した。需要減退の影響もあり、三菱レイヨンは10年3月期の炭素繊維分野が、営業赤字72億円(前期10億円の黒字)の見通しだ。

世界不況の余波に直面するものの、悪材料は出尽くした感がある。

東レは13年後半に月産10機を見込む787に期待を寄せる。帝人もトヨタ自動車が10年末に発売するスポーツカー「レクサスLFA」に加え、カナダ・ボンバルディア社の小型旅客機に採用される可能性がある。さらに三菱レイヨンは、三菱樹脂も擁す三菱ケミカルホールディングス傘下に入る。「世界一でないと勝てない」(鎌原正直・三菱レイヨン社長)と意気込むように、炭素繊維でもシェア拡大を狙っている。逆風下ながら、離陸への展望は開けつつある。
(石井洋平 =週刊東洋経済) 写真提供:ボーイング

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