ダイハツの「ジムニー対抗車」は本当に出るのか タフト登場で期待される本格4駆の可能性

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

東京モーターショー2009に出展されたコンセプトモデルのイースは、全長3100㎜×全幅1475㎜×全高1530㎜の2ドア車。重量は700㎏で、燃費は10・15モードで当時としてはかなり意欲的な“リッター30km”を目指すとした。

東京モーターショー2009に登場した「イース(e:S)」(写真:ダイハツ)

のちにミライースの成功を経てダイハツ本社役員となるイースの開発者に、ショーの現場でじっくり話を聞いた。彼は「ダイハツが軽に求める、小さい・軽い・燃費よしを徹底的に追求した形。2ドアでスポーティなイメージだが、これで大人がしっかり4人乗れる」と熱を込めて語っていたのを覚えている。ところが……。

約2年後の2011年9月に発表されたミライースは2ドアではなく4ドア車で、イースと比べて全長も約30㎝伸びた。デザインもスタイリッシュというより、庶民派な雰囲気。名前のとおり「ミラっぽく」なった。

2011年に市販された「ミライース」(写真:ダイハツ)

率直に言えば、イースとミライースはまるで違うモデルに見える。その理由について開発担当の彼は「上(役員会等)から、これでは数が出ないという判断で企画を大幅に変更した」と、ダイハツ社内での経緯を話してくれた。

ここからは筆者の推測だが、新型タフトではイースの経験が生かされているのではないかと思う。

タフトの企画段階には2ドア案もあった?

タフトの原型は、東京モーターショー2019に出展した「WakuWaku」だ。

東京モーターショー2019に登場した「WakuWaku」(写真:ダイハツ)

2ドアのように見える4ドア車である。ここからタフトの先行予約開始までは6カ月程度であるので、WakuWakuはほぼ量産の状態で登場したはずだ。となると、その2年ほど前の初期デザインには当然、イースのような2ドア車案もあったに違いない。

これが、世間で噂される「ジムニー対抗」に相当するのではないか。

タフトがイースと違い、早い段階で2ドアっぽい4ドアとするため、「スカイフィールトップ」という裏技を使うことを決定できた背景には、2つの理由があると思う。

ひとつは、「タント」というベース車があること。もうひとつは、2016年にトヨタの完全小会社となったことだ。中長期かつ総括的な製品企画の立案を“行わざるをえない”状況になってきたのだと思う。

次ページトヨタ向けOEMが運命を決める?
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事