ダイハツの「ジムニー対抗車」は本当に出るのか タフト登場で期待される本格4駆の可能性

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そのうえで、トヨタ・ダイハツによるSUV中期戦略を考えてみよう。これまでの製品戦略を踏まえると、時系列では次のようになると予測される。

■2019年7 月:DNGA第1弾「タント」
■2019年11月:DNGAのOEM第1弾「ロッキー」「ライズ」
■2020年6月:タント派生第1弾「タフト」(ハスラーけん制) 
■2021年?月:タント派生第2弾「???」(ジムニーけん制)​

ジムニー対抗車にまつわる噂はたくさんあるが、その中には「ラダーフレームの本格4駆」、「DNGAによるFR(後輪駆動)」、「テリオス後継」といったものもある。

「テリオス」は1997年に登場したコンパクトSUV。軽自動車の「テリオスキッド(写真)」もあった(写真:ダイハツ)

希望的観測も多いが、仮にラダーフレームの採用があるとすると、海外向けも考慮し「ミニランドクルーザー」のようなイメージで、軽自動車だけでなく「ヤリス」用1.5リッターエンジンなどを搭載する登録車(普通車)のトヨタ向けOEMも考慮されるはずだ。

すでにアメリカや中国では約4割、ヨーロッパでも3割以上をSUVが占めているが、世界市場でさらにSUVシフトが進むとすれば、トヨタ向けOEMモデルもありえない話ではない。一方で、DNGAで“軽のFR化”はかなり無理があるように思えるが、こちらもトヨタ向けOEM次第だろうか。

登場するなら車名はテリオス? ラガー?

モデル名については「ロッキー」や「タフト」など、このところの過去のモデル名の復活が続いている。この路線がこれからも続くとすれば、イメージ的には都会派の「テリオス」よりもオフローダーの「ラガー」(1984~1997年製造)という選択もあるはず。

新型タフト企画の初期案に、往年のタフトのような2ドア車があったとすれば、ジムニー対抗にもタフトのロゴが一部に残るかもしれない。だた、「ジムニー対抗」には大きな試練がある。

新型コロナウイルス感染の拡大の影響により、「事業の立て直しが急務であるこの時期に、こんな数が出ないクルマ(ジムニー対抗の量産)は無理だ。当面は諦めろ」と、開発陣の提案を上層部が受け入れないというシナリオも考えられる。果たして、ダイハツのジムニー対抗は登場するのだろうか。

桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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