天馬の名誉会長が激白「役員は総退陣すべきだ」 収納ケース「Fits」の会社でお家騒動

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資本と経営の分離を図るべきだとの考えはそもそもあった。2代目(2代目社長で次兄の金田保彦氏)から私が社長を引き継いだ際、創業家による世襲は私で終わりにして外部から新しい血を入れようとかけあった。実際、私の後は住友銀行出身者が2人続いた。その次はプロパーから引き上げたほうがいいなと思い、現在の藤野社長となった。

司治氏は「社員を助けるために、このままで終わらせるわけにはいかなった」と語る(撮影:編集部)

今の会長は、2代目の一人息子。2代目は、せがれを社長にするものと内心思っていたのかもしれないが、新しい天馬になるためにと社長をやらせず、専務として私の下で使っていた。

――新しい取締役の候補はどういう人たちですか。

株主提案で出した8人はいまの天馬を支えているメンバー。天馬の収益は海外が大きく占めているので、現地子会社での経営経験者を候補者に入れた。約800億円ある天馬の売上高のうち、600億円を稼いでいる中心メンバーといっていい。この子たちが今後の天馬を背負っていかないといけない。

社員を助けるために進言をした

――第三者委から経営に対する「不当な介入」があったと指摘されていますが、実際にはどうだったのでしょうか。第三者委の調査報告書には、取締役の人事や報酬、取締役会での議案などは、前名誉会長にその都度お伺いを立てて意向に従ったと記載されています。

 「(金田会長が)おじさま、いかがですか」と相談にきて、私がそれにダメだと意見したことはあった。ただ、私はあくまでアドバイザーとして意見しただけだ。だが、第三者委では、それさえも介入と解釈されている。また、次のような特別な背景があったことは言っておきたい。

一昨年ごろから、藤野社長のハラスメントや度を超えた統制を訴える社員がやってくるようになった。社長としての適格性を欠くと考え、昨年4月に金田会長に藤野社長を退任させるべきだと話したが、6月の総会では続投となった。

その後に発覚したのが、ベトナムでの贈収賄だった。関与した社員が「責任をすべて負わされて社長に切り捨てられる」と助けを求めてきた。社員に責任転嫁するようなやり方をみかねて、口を出さざるをえなかった。この口出しが、創業家からの支配とか院政といった批判になったようだ。

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