酒井さんのケースは特殊ではない。前述した大学生協連の調査(インターネット利用、回答者3万5542人)の自由記述欄にも、切実な訴えが溢れている。以下はそれらのごく一部だ。
大学に入学したことを後悔しています。両親も僕自身も収入が減ったのに、支出は変わりません。僕の学費が家計を圧迫していると思うと申し訳なくてたまりません。バイトも勉強も中途半端で何のために入学したのか。四六時中、不安です。(私立大1年男性・自宅生)
コロナの影響で、アルバイトの時間が極端に減ってしまった。学費を払えないかもしれないので、休学するか中退するかを考えています。授業が行われていないのに、学費を満額支払うのは苦しい。せめて4月分は返してほしい。(私立大1年女性・自宅生)
奨学金だけでは足りないため、バイトをしたくてもコロナ感染を考えると十分にはできません。4年間大学に通えるのかとても不安です。(私立大1年男性・自宅生)
コロナでアルバイトがなくなったので、教科書を購入するお金もなく、国からの10万円はそれに充てる予定。このままでは食費もなくなる恐れがあります。学費の免除や給付がもっと充実すればいいと思っています。(国立大3年男性・下宿生)
「入学を後悔」「親に申し訳ない」
このアンケート結果の声を踏まえ、大学生協連の峰田優一・広報調査部長は次のように訴える。
「自由記述欄に『親の収入が減り家計が圧迫しているため、入学したことを後悔』と書いてあったのを読んで、心が痛くなりました。せっかく、つらい受験勉強を乗り越え、大学に合格したのに……。なんとか、学生を助けるため国から高等教育に対する手厚い支援をお願いしたい」
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