【産業天気図・銀行業】収益力は低下続く、公募増資も希薄化意識で一服へ、１０年９月まで「雨」続く
地銀の一部にも自己資本に算入されている劣後ローンの償還期を迎えて、公募普通株増資で資金をまかなう動きが相次いだが、いずれも成長戦略が見えにくいとあって、投資家には希薄化のマイナス面が意識されている。国際的な資本強化の方向もまだ詳細が見えず、規制の導入時期は１２年とまだ先。欧米の金融機関の不良債権処理も道半ばである中、今後は増資ラッシュも一服、状況を見極めようとする銀行が増えると思われる。
ただ、地域銀行の中には公的資金の申請が着々と増えている。収益力が低水位にとどまる中、融資先の想定外の破綻で与信費用が増えるケースでは、申請する銀行はまた出てくるだろう。また、新生銀行＜８３０３＞とあおぞら銀行＜８３０４＞、中央三井トラスト・ホールディングス＜８３０９＞と住友信託銀行＜８４０３＞と相次いで合併・統合が発表されたが、今後は地銀の再編案件も浮上してくる感触がある。
（大崎 明子）
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