過去最多、SNSが絡む「子どもの被害」大変な実態

今こそ知っておくべき「4つの対策」

また、デバイス(スマホやパソコンを含むコンピューターの周辺機器のこと)ごとに特定のアプリや機能を使えないようにできる『ペアレンタルコントロール(Androidの場合は「Googleファミリーリンク」)』という機能もあります。

フィルタリングに近い形で、子どものスマホを監視、制限することができます。例えば、Wi-Fiにつなぐだけなど通信キャリアとの契約がない状態で使用可能なスマホやタブレットを持たせる場合は、忘れずにこのペアレンタルコントロールを活用しましょう。

見守りサービスは“二重化”しておくこと

(エ)万が一、被害に遭ったときのために

ここまでは危険を未然に避けるための対策をお話をしてきましたが、それでもなお、トラブルが発生してしまうことがあるかもしれません。その際にはいち早く状況を把握し、被害を小さくする必要があります。そのための対策も、併せてご紹介します。

1. 子どもの現在置を確認するツールの活用

現在、各社からGPSやBluetoothの技術を使って、子どもの位置を把握できるデバイスやサービスが出ています。自治体や学校単位で導入しているところもありますし、家庭ごとに契約できる『キッズケータイ』などにも同様の機能が入っています。単に現在位置を把握するだけではなく、保護者が想定している子どもの行動範囲から外れた際に、警報が来るようになっているものがおすすめです。

2. 子どもからのSOSを受け取る仕組みづくり

被害に遭遇してしまった子どもは、親と連絡を取り合うことが難しい状況にさらされる場合もあります。キッズケータイは、防犯ブザーが作動すると、親のメールアドレスやアプリにオンライン通知が届きます。

また、対象者の位置情報を取得できる『みまもりタグ』などのサービスやスマホアプリでも、防犯ブザーや親へのSOS機能がついているものがありますので確認を。何かあったときに、子どもの状況がすぐに掴めるようにしておきましょう。

3. 見守りサービスの二重化

現在、さまざまな“見守りサービス”が出ていますが、気をつけていただきたいのは「犯罪者もこうしたサービスやシステムについて知っている」ということです。前述した大阪の小6女児誘拐事件では、犯人はいち早く被害女児のスマホの電源を切り、通話やインターネット接続に必要な『SIMカード』を本体から抜いて、使用不能にしました。

キッズケータイを持たせることは平時では非常に有効ですが、同時にみまもりタグやほかのGPSサービスなども併用し、必ず二重の対策を行うようにしてください。どちらかがダメな場合でも、もう片方は必ず作動して、危機を知らせてくれるようにする点が非常に重要なのです。

世界的な新型コロナ大流行に伴い、実際に各国で子どもが巻き込まれた犯罪が多く発生していますし、日本国内でも今後、子どもを狙った犯行がさらに増えてくると予想されます。私たち保護者は子どもたちのため、具体的な対策を行うと同時に、ゲームやSNSに潜む危険性を対話を通じて伝えていくことがもっとも大切です。ハードとソフト両面から、親が責任を持って対処してもらいたいと心から願います。

【今回のまとめ】

1. 自宅自粛でオンラインゲームやSNSの利用時間が増えている。犯罪者はオンラインから近づいてくる

2. SNSによる被害は誘拐だけではなく、児童ポルノや性犯罪に巻き込まれる可能性も高いため非常に危険

3. 子どもと有意義な話や取り決めをするため、まずは親がネットリテラシーを高めることが重要

4. 各社よりフィルタリングや利用制限を促すサービスが出ているため、利用することは親の義務であると認識すること。大きな被害に遭う危険性を避けるため、見守りの仕組みを二重化して導入しておくこと
【PROFILE】
河合成樹(かわい なるき)/防犯ジャーナリスト、防犯設備士。『株式会社Moly』代表取締役CEO。グラフィックデザイナー、営業、企画開発、事業責任者など、多彩な経歴を経て'13年に株式会社Molyを創業。娘の誕生を機に防犯事業に特化し、女性向け防犯メディア『Moly.jp』の運営をはじめ、お守り防犯アプリ『Moly』も展開するなど、機会犯罪に対する防犯の啓蒙に取り組んでいる。さまざまなメディアへの出演のほか、各種勉強会への参加や講演活動も行う。
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銀行 地殻変動<br>先で待つ「不良債権地獄」の恐怖

コロナ危機を受け、銀行は政府の支援の下、積極的に「傘」を差し出し、融資をしています。しかし融資先には「危ない企業」も含まれ、下手をすれば不良債権によって屋台骨を揺るがしかねません。自ら大きく変わり始めた銀行の近未来を占います。