「検察庁法改正案」今さら聞けない大論争の要点

「#抗議します」500万件の裏にある誤解と好機

次に、今国会に提出されている改正案では、以下のような内容が提案されている。

役職定年とは、人件費削減のため、管理職については一定の年齢で職位を辞任してもらい、勤務は引き続き65歳定年まで可能とする制度である。これは国家公務員全般の改正内容になっている。後に述べるが、昨年秋までに用意されていた検察庁法改正案は、定年と役職定年に関する事項のみであった。しかし、今国会に提出された法案では、役職定年に対する例外措置と勤務延長制度が追加されているため、その点が議論を紛糾させる一因となっている。

なぜ今回、火がついたのか

言うまでもなく、政府が1月31日に行った黒川弘務・東京高検検事長の異例の定年延長決定を巡る議論が、今国会での改正案の議論の火種になったことは間違いないであろう。簡単に振り返ると、2020年1月31日、政府が国家公務員法81条の3に定められた勤務延長制度に基づいて、黒川検事長の勤務延長を閣議決定した。その理由としては、カルロス・ゴーン被告人に関する事件を始めとして、「東京高等検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査公判に対応するためには、…黒川弘務の検察官としての豊富な経験・知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が必要不可欠」と政府が判断したと説明がなされた。

しかし、ここで問題になったのは、そもそも国家公務員の勤務延長制度が制定された当時、国会において同制度は検察官には適用されないとの解釈が答弁されていたにもかかわらず、これを解釈変更して適用した点にあった。

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