22年度開業、「長崎新幹線」の新型車を大胆予想 7月営業運転開始の「N700S」がベースになるか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

では、既存のJR九州新幹線車両の導入事例もふまえて、西九州ルートの新幹線車両を予想してみたい。

西九州ルートの工事現場に掲げられている看板にはオリジナルデザインの車両が描かれている。なお、工事現場によっては800系が描かれた看板が設置されていることも(筆者撮影)
標準軌と狭軌を行き来できる軌間可変電車フリーゲージトレイン(FGT)。第3次試験車FGTが2014年に完成し、3年間の耐久試験を行う予定だった。しかし、軌間変換機構の耐久性に問題が発生し、試験を中断。対策を講じたものの、西九州ルートへの導入は時間的に間に合わず、断念することとなった(筆者撮影)
九州新幹線新八代駅で2004〜2011年に実施された同一ホーム乗り換えの「リレー方式」。右が新幹線「つばめ」で左が在来線「リレーつばめ」。両列車間に改札口はなく、わずか3分で乗り換えることができた。(筆者撮影)

まず、既存の車両のなりたちを整理しておこう。JR九州初の新幹線車両となった800系は、JR西日本700系7000番代「ひかりレールスター」の車体、システムをベースとして、ドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏がデザインしたものだ。

なお、700系はJR東海とJR西日本が共同開発したものだが、「ひかりレールスター」のようなJR西日本独自車両の製造のほか、16両編成でも座席や内装、台車などをJR西日本独自のものとすることが許されていた。

カモノハシ形の700系とは大きく異なる800系の先頭部形状は、実は日立製作所が700系開発時に提案したデザインをベースとして、ノーズポイントを高くするなど手直しをしたもの。

また、700系ひかりレールスターの8両編成に対して、800系は6両編成とした。700系はT車(付随車)+パンタグラフと主変換装置を1台搭載するM1電動車(M1)、主変圧器を搭載する電動車(Mp)、主変換装置を2台搭載する電動車(M2)の4両を1ユニットとして、補機類を分散配置している。また1編成に2ユニット連結することにより、片方のユニットが故障した際にも健全なユニットで運転を継続することができる冗長性を持たせている。

800系の台車は軸はり式を採用

800系は700系のユニットをベースにM+Mp+M2の3両ユニットとした。このためT車に搭載している補機類を3両に搭載する必要があり、先頭車は運転台と客室の間のデッキ部分を機器室としている。また、車両重量の増加を抑えるため、パンタグラフはJR東日本E2系1000番代の低騒音碍子(がいし)シングルアームパンタグラフを採用。700系の2面側壁と碍子カバーを不要とすることで、大幅な軽量化を果たした。

台車はひかりレールスターで採用された軸はり式台車を採用。この台車はJR西日本が500系用として開発したものだ。

次ページN700系はJR西日本と共同開発
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事