22年度開業、「長崎新幹線」の新型車を大胆予想 7月営業運転開始の「N700S」がベースになるか
では、既存のJR九州新幹線車両の導入事例もふまえて、西九州ルートの新幹線車両を予想してみたい。
まず、既存の車両のなりたちを整理しておこう。JR九州初の新幹線車両となった800系は、JR西日本700系7000番代「ひかりレールスター」の車体、システムをベースとして、ドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏がデザインしたものだ。
なお、700系はJR東海とJR西日本が共同開発したものだが、「ひかりレールスター」のようなJR西日本独自車両の製造のほか、16両編成でも座席や内装、台車などをJR西日本独自のものとすることが許されていた。
カモノハシ形の700系とは大きく異なる800系の先頭部形状は、実は日立製作所が700系開発時に提案したデザインをベースとして、ノーズポイントを高くするなど手直しをしたもの。
また、700系ひかりレールスターの8両編成に対して、800系は6両編成とした。700系はT車(付随車)+パンタグラフと主変換装置を1台搭載するM1電動車(M1)、主変圧器を搭載する電動車(Mp)、主変換装置を2台搭載する電動車(M2)の4両を1ユニットとして、補機類を分散配置している。また1編成に2ユニット連結することにより、片方のユニットが故障した際にも健全なユニットで運転を継続することができる冗長性を持たせている。
800系の台車は軸はり式を採用
800系は700系のユニットをベースにM+Mp+M2の3両ユニットとした。このためT車に搭載している補機類を3両に搭載する必要があり、先頭車は運転台と客室の間のデッキ部分を機器室としている。また、車両重量の増加を抑えるため、パンタグラフはJR東日本E2系1000番代の低騒音碍子(がいし)シングルアームパンタグラフを採用。700系の2面側壁と碍子カバーを不要とすることで、大幅な軽量化を果たした。
台車はひかりレールスターで採用された軸はり式台車を採用。この台車はJR西日本が500系用として開発したものだ。
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