22年度開業、「長崎新幹線」の新型車を大胆予想

7月営業運転開始の「N700S」がベースになるか

JR九州初の新幹線車両となった800系。JR西日本700系7000番代をベースとしているが、水戸岡鋭治氏がデザインしたオリジナルの先頭部を採用し、車体の各所にロゴなど配置するなど、JR九州の独自性が際だっており、個性が強い(筆者撮影)

2022年度の開業を目指して建設中の九州新幹線西九州ルート(以下西九州ルート)。佐世保線の武雄温泉を起点として嬉野温泉、新大村、諫早を経て長崎に至る66kmのルートだ。このため、「長崎新幹線」と呼ばれることもある。まもなく長崎駅の工事も本格化する。

西九州ルートのうち武雄温泉―諫早間は2008年4月28日に着工。当初は在来線と同じ狭軌(1067mm)の線路を敷き、在来線から直通してきた車両が西九州ルート内を時速200kmで運転するスーパー特急方式を採用する計画だった。

その後2010年8月に、軌道を1435mmの標準軌として、フリーゲージトレイン(FGT)で在来線と直通させる案が検討された。そして翌2011年12月にFGTにより整備する着工方針が決定。2012年8月には諫早―長崎間も着工した。

紆余曲折の末、フル規格に?

しかし、FGTの軌間変換機構の耐久性に問題が見つかり、問題の解決および耐久試験を行うと西九州ルートの開業に間に合わないことが判明した。そのため現在はフル規格新幹線を武雄温泉―長崎間で運行し、武雄温泉で在来線特急と同一ホームで乗り換える「リレー方式」で建設を進めている。

ただしリレー方式はあくまでも暫定とされており、与党は新鳥栖―武雄温泉間をフル規格新幹線で整備することが妥当だと判断し、長崎県の中村法道知事はこの判断を支持した。

これに対して佐賀県の山口祥義知事が反発している。一度はFGTの導入により新鳥栖―武雄温泉間は在来線を活用する方向となっていたのに対して、新規路線を建設するフル規格新幹線では、佐賀県の実質負担額が660億円にもなるほか、経営分離した並行在来線の運営費も重くのしかかるからだ。

山口知事は「スーパー特急(狭軌で敷設)」「FGT」「リレー方式」「ミニ新幹線」「フル規格」の5択から時間をかけてしっかり議論することを求めた。

もっとも武雄温泉―長崎間はフル規格で建設が進んでおり、いまさら狭軌のスーパー特急に変更することはありえない。また、ミニ新幹線の暫定投入も考えにくく、かつての九州新幹線鹿児島ルート新八代―鹿児島中央間のように、フル規格新幹線車両を投入して、リレー方式とする方針は変わらないだろう。

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