「再婚=恥」の固定観念が時代錯誤である証拠 人口逆ピラミッドが生む「思い込みリスク」

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しかし、1984年に再婚者同士の結婚が割合で追いつき、その後はこの2パターン(再婚同士、男性のみ再婚)が似たような割合で、合計すると全体の7割超を占める形で推移しています。

最後に、「女性のみ再婚」の再婚カップルですが、これも決して少ないわけではありません。1970年代から、再婚カップルの4組に1組以上が「男性は初婚、女性が再婚」で安定的に推移している状況です。

もはや「初婚=競争力」ともいえない現実

以上のグラフはすべて割合の推移の説明ですが、再婚カップルを実数でみると、1970年の11万件が2018年には16万件へと伸びています。未婚化が叫ばれる時代に対して、逆行しているのです。

コロナ世代のカップル像において、リスタート婚は統計的にみたトレンド事象となっており、男女ともに「自分が初婚である」ということが、必ずしも婚活市場における競争力を保証するものではなくなってきているようです。裏を返すならば、婚歴があることが必ずしも婚活におけるデメリットとはいえなくなってきている、ということになります。

天野 馨南子 ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー

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あまの かなこ / Kanako Amano

東京大学経済学部卒。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。1995年日本生命保険相互会社入社、99年より同社シンクタンクに出向。専門分野は人口動態に関する社会の諸問題。総務省「令和7年国勢調査有識者会議」構成員等、政府・地方自治体・法人会等の人口関連施策アドバイザーを務める。エビデンスに基づく人口問題(少子化対策・地方創生・共同参画・ライフデザイン)講演実績多数。著書に『未婚化する日本』(白秋社・監修)、『データで読み解く「生涯独身」社会』(宝島社新書)等。

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