「再婚=恥」の固定観念が時代錯誤である証拠 人口逆ピラミッドが生む「思い込みリスク」

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1970年には再婚カップル(再婚者同士、どちらかが再婚者を含む、以下同)は11%、つまり10組に1組の発生頻度でしたので、確かに少数派だったといえます。1970年は「団塊ジュニア」と呼ばれる1971年から1973年生まれの人々の生まれた頃になります。現在47〜49歳の男女が生まれた頃ですので、再婚カップルが10組に1組程度の少数派であったのは実はもう半世紀も前の状況です。

1999年に再婚カップル割合が初めて20%を超えます。今の20歳くらいの男女が生まれた頃ですので、20年以上前にはすでに再婚カップルが5組に1組を上回っていました。グラフを見ると2005年には25%を超えていますので、15年前には4組に1組以上が再婚カップルという社会が成立していたことになります。

役所に婚姻届を提出するカップルの4組に1組以上の割合で再婚者が含まれていることになりますので、もはや「再婚カップルは少数派」というレベルではありません。

再婚カップルのパターンも多様化

再婚カップルには「再婚者同士の結婚」と「どちらかが再婚の結婚」という、大きく分けて2パターンがある、ということを想像しにくい人を見かけます。再婚カップルというと、どうしてもまずは再婚者同士を想像してしまうようです。

しかしデータからは、再婚者同士の再婚カップルは1980年代以降、全体の3分の1程度で安定推移していることが見て取れます。直近の2018年では37%となっています。

また、高齢者層では「妻に死別された男性に、身の回りの世話をしてくれるのち添えをそろそろ……」という再婚パターンイメージが強いようです。これには統計的な根拠があり、終戦から間もない頃は最も多い再婚のパターンでした。再婚の半数を「男性のみ再婚」が占めていたのです。

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