「再婚=恥」の固定観念が時代錯誤である証拠 人口逆ピラミッドが生む「思い込みリスク」

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中高年を中心に「離婚歴を表に出したくない」という考え方は根強いようです(写真:Deja-vu/PIXTA)

長期にわたる少子化の影響で、日本は完全な「人口逆ピラミッド構造」です。そのすさまじさをデータで示してみると、2015年の国勢調査結果から計算したところ、40代人口を100とすると、30代人口は85、20代人口は67しか存在しない状況でした。

このような逆三角形の頭でっかちな人口構造は、どうしても中高年層の声を大きくし、若い世代の声(考え方、感覚、行動など)を、あたかもありえないかのようにみせてしまいやすいリスクを伴っています。

簡単にいうと、前世代の考え方が次世代の考え方や現状と大きくズレてしまっているにもかかわらず、親切心から、または無意識に「こういうものだ」とかつての常識を今の非常識と気づかずに押しつけてしまう社会になりやすい、ということです。

次世代に対する前世代の大きな勘違いの1つに「再婚」があります。今回は、なぜかメディアでエビデンス(証拠)に基づいて語られることの少ない「再婚」について、データでご紹介したいと思います。

再婚カップルはいまや4組に1組以上

再婚に関しては、特に中高年層では「そこまで多くない」という感覚を持っている方も少なくないように思います。また、これは地域性も関係するのかもしれませんが、「再婚なんて恥ずかしいので派手に伝えたくない、伝えるものではない」といった意識も見受けられます。

もうずいぶん前の話にはなりますが、知人の1人(初婚女性)が、離婚歴のある男性と結婚することになったときのことです。その男性はある地方の名家の出身だそうですが、男性の親族から「1年前に離婚したばかりなのに恥ずかしい。結婚式や披露宴はしない」との声があがり、彼女は式や披露宴をせずに籍を入れました。

ちなみに、二人は彼の離婚後に出会っています。当時、彼女からのその報告に、強い憤りを感じたことを覚えています。

では、リアルデータでみた場合、再婚は珍しい事象なのでしょうか。次のデータを見てください。

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