ジブリが結んだディズニーとニコニコの縁 ディズニーとニコニコが組むと、こうなった(2)
――その付き合いがきっかけで、今回のディズニーとドワンゴの連携に発展したと。
塚越 そうそう。そういう意味では、これきっかけですね。本当に仕事の話。ただ、その前に、(ディズニーも加盟する映像コンテンツ企業や映像機器メーカーなどの業界団体)デジタル・エンターテインメント・グループ・ジャパンで、いよいよデジタル映像配信を考えようというときに、実は川上さんにゲストスピーカーで来てもらって。
川上 ああ、行きましたね。最初ですね。
塚越 それが最初。あれが仕事っぽいですかね。
川上 っぽいですかね。これは仕事かな、ぐらいな(笑)。
塚越 そう。まさに、今回の対談のようなテーマで川上さんがプレゼンテーションしてくれたんですよ。「この後、コンテンツはどうなっていくか」みたいな。それを聞いたときに、「これだよね」と。消費者が求めているものに対する技術的な先取りをもっともっとしていかないといけないって気づかされたのが、川上さんとの出会いです。
僕らは、DVDとかVHSとかブルーレイの商売をしてきたわけで、それを解き放って、もっと消費者が求めているものがある。このままボーっとしていたら、商売を無くしますよという警告ですよね。来たるべき時代がそうなんだとすると、僕らはどう対応していかないといけないか。だから、僕らは川上さんのところと組んで、そういう時代に対応できる商品をもっともっと作っていかないといけないんだろうな、と。まあ道半ばですけどね。
僕らがもっと消費者の利便性やサービスの力を上げていく。そのために技術はあるわけですから。なぜディズニーがドワンゴさんと組んでいるかといえば、僕らはやっぱりコンテンツの会社。技術のことはプロじゃないから、パートナーが必要なんですよ。いろいろなパートナーの方々と会いましたけど、川上さんは特殊でした。コンテンツ寄りの発想をお持ちなんですよ。
ゲームからスタートしたドワンゴ
――技術屋寄りじゃなくて。
塚越 そう。川上さんがジブリさんと一緒に仕事をしているのは、すごく大きな特徴ではあるんだけれども、川上さん自体がコンテンツの立場でモノを考えられる人だというのは大きかったと思うんですよね。
川上 もともとドワンゴはゲーム作っていたので、そこが一番大きいです。僕らはIT企業とは思っていない。もともとゲーム会社なもんで(笑)。