ジブリが結んだディズニーとニコニコの縁 ディズニーとニコニコが組むと、こうなった(2)

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塚越 隆行●つかごし・たかゆき ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン ゼネラル・マネージャー。1962年生まれ。早稲田大学教育学部卒業。朝日広告社を経て、91年にディズニー・ホーム・ビデオ・ジャパン入社。ディズニー作品、スタジオジブリ作品などにおいて、数々のヒット作を送り出す。

――それがDNAですね。

川上 血筋はゲーム会社だと思っています。IT企業の人たちとは人脈的にも違うんですよ。

塚越 なるほど。IT企業じゃなかったんですね。

川上 もともとそうなんですよ。ビットバレーとかに登場する人とはかかわりがない。そういう会社で、ゲームの次に着メロ作っていました。着メロも実は今の着うたとは違って、クリエイティブだったんですよ。各社、着メロが違っていて。

――そうですね。音が違いましたね。メロディーが違うとか。

川上 そこを競争していた。僕たちはコンテンツ会社としてやってきたんですよね。

塚越 うちはコンテンツ会社だから、作品をどう便利に見てもらうかで、助けが欲しかった。もう一つは話題づくりも含めて、なんでこの作品が面白いのかということを、作っていくうえでも協力してもらえればと。僕らも消費者の皆さんに作品のよさを伝える方法を新しくどんどん作っていかないといけない。そこで、ドワンゴさんは非常に大きなパートナーシップですよね。

――ディズニーの中だけではできなかったり、思いつかなかったり、それこそ不可能なだったりすることが、ドワンゴと一緒にやることによって生まれてくる。

塚越 うん。そういうこともある。米国だと簡単に会社を買ったりする。でも、日本はそうじゃない。人との付き合いがありきじゃないですか。その中からのアイデアとか、企業と企業でコラボレーションすることによって、そういう関係が生まれてくる。

ディズニー“だから”できること?

――川上さんから見ても、ディズニーと組んで得るものは大きい?

川上 そりゃあ大きいですよ。ネットの中でコンテンツをどういうふうに販売しているかというと、いろんな動きがある。その中で、うちがディズニーさんとやっているというのは、すごい勇気づけになるんですよね。

――しかし、この取り組みは画期的ですが、ディズニーだからこそできるという側面もあるのでは?

塚越 みんな、そう言っていますね。でもみんな、やり始めないといけないはずなんですよ。売り切りはもう終わっていくと話しましたが、みんなその危機感はあるはずなんです。だから、これではないにしても、何かをしていかないといけないというのは、みんな分かってると思う。

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