日経平均は一時1万9000円割れ、市場心理が悪化 原油安と米国株安を嫌気、リスクオフムード

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4月22日、東京株式市場で日経平均は3日続落した。写真は東京証券取引所で2018年2月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 22日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日続落した。原油安や前日の米国安などを嫌気し、主力株を中心に幅広く売られた。日経平均は1万9000円近辺での一進一退が継続し、方向感に欠ける値動きとなった。

21日の米国株式市場は続落。原油先物の急落に加え、株式市場ではロックダウン(都市封鎖)措置による経済的影響の広がりに懸念が強まり、軟調な展開となった。

日経平均は171円60銭安の1万9109円18銭で続落スタート。その後は下げ幅を急速に拡大し、422円53銭安の1万8858円25銭となり、4月8日以来2週間ぶりの安値を付けた。日銀によるETF(上場投資信託)買いの思惑が台頭し、一時は下げ渋る場面も見られたものの、米株先物が軟化する局面では連れ安となり、総じて方向感に欠ける動きとなった。

市場からは「新型コロナウイルスの感染拡大による経済の停滞に加え、原油価格は暴落。買い手がいない状態で、持ち上がるのが難しい。市場心理は悪化し、典型的なリスクオフムードとなっている」(SMBC日興証券・投資情報部部長の太田千尋氏)との声が聞かれた。「業績予想の下方修正を発表する企業も多い。材料出尽くしで買われる銘柄も限定的で厳しい局面」(同)という。

TOPIXも3日続落。東証33業種では25業種が値下がり。空運業、石油・石炭製品、鉱業、鉄鋼などが値下がり率上位に入った。半面、パルプ・紙、その他製品、医薬品、陸運業などは値上がりした。原油先物価格の下落を受け、天然ガスの値下がりや、生産や運搬に関わるコストの低減がメリットとして意識された。

個別では出光興産<5019.T>が前日比5.29%安となり、6日続落した。21日、2020年3月期の連結営業損益予想を1650億円の黒字から50億円の赤字に下方修正すると発表したことなどが嫌気された。燃料油セグメントにおける在庫影響の損失拡大や原油価格急落によるタイムラグ影響で約1100億円悪化するほか、石油化学製品マージンの縮小を見込む。

東証1部の騰落数は、値上がりが496銘柄に対し、値下がりが1629銘柄、変わらずが43銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      19137.95-142.83

寄り付き    19109.18

安値/高値   18,858.25─19,137.95

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1406.90 -8.99

寄り付き     1405.62

安値/高値    1,392.58─1,412.45

 

東証出来高(万株) 124729

東証売買代金(億円) 20829.57

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