コロナ離婚回避する夫婦が実践する3つの会話 子どもがいるとき気をつけたいポイントとは

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だれかを頼り、頼られることも許せるようになると、頼られる喜びも分かち合えるようになります。本来、人は、だれかの役に立つこと、応援することに喜びを感じるもの。

それは、生きるエネルギーにつながるはずです。

だから、まずは夫婦からです。頼ってみましょう。愚痴や自分の弱さを相手に見せたくないという方は、まずは実情を話すところから始められるといいですね。

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心の底では、夫婦はお互いに、相手のことをちゃんとわかりたい、相手に頼られたい、相手を応援したいと思っているのですから。

私たちの世代は「人に迷惑をかけるな」と育てられた人が多く、自分がどんなに大変でもじょうずに人に頼れない、理不尽な要求でも声をあげられない思考になっています。

でも、よく考えてみると、生きているだけで迷惑はかけるものです。それを認め、自分も迷惑をかけられても許せる「お互いさま」文化が育つといいなと思います。

“ひとりじゃない”と思えると気持ちはラクになる

夫婦のコミュニケーションで大切なのは、ひとりで抱えるのではなく、ふたりでいっしょに話しながら考えること。問題を明確にして、夫婦でいっしょに解決策を導き出すことです。夫VS妻ではなく、夫婦VS問題の関係になることで、夫婦の絆も強まります。

ポイント3:相手に共感する言葉を使うこと。

ある女性は、自分の大変さを夫に話したところ、夫がはじめて里芋のお味噌汁を作ってくれたそうです。

そして、夫は「里芋の皮をむくと、本当に手がかゆくなるんだね。君はいつもこんな思いをしながら、作ってくれてたんだね。ありがとう」と言ってくれたといいます。

夫の実感から出た「ありがとう」の言葉は、お味噌汁を作ってくれたことよりもうれしかったそうです。

すぐにいろんなことを実践できなくても、「それは大変だね」と相手に共感するだけでも、相手の気持ちをラクすることはできるのです。

このように、危機を乗り越えていける夫婦は、伝え方にほんの少し工夫をしています。

いっしょにいるのに、パートナーが自分のことをわかってくれないと悩んでいる方は、相手に自分の大変さがうまく伝わっていない可能性があります。いっしょにいる時間が長い今の機会こそ、夫婦のコミュニケーションの取り方を見直して、子どものためにも夫婦で強い絆を結んでください。

天野 ひかり フリーアナウンサー、NPO法人親子コミュニケーションラボ 代表理事

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あまの ひかり / Hikari Amano

上智大学文学部卒業。テレビ愛知アナウンサー(1989~1995)。現在はフリーアナウンサーとして活躍中。フリー転向後はNHKの番組を中心に出演し、2008年3月まで教育テレビの番組『すくすく子育て』でキャスターを務める。自身の結婚、出産、育児と仕事の両立を経験したことで、子育ての重要性を認識。「NPO法人親子コミュニケーションラボ」を立ち上げる。子どもの自己肯定感を育むための親子のコミュニケーション力をのばす講座や講演を全国の自治体や幼稚園、学校、企業などで開き、今までの受講者は5万人以上。多くの父母から支持され「育児が180度変わった!」など感動の声が寄せられている

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