イオン、よくて「営業利益半減」の衝撃シナリオ 休業で賃料実質ゼロ、収益柱「不動産」に陰り

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2008年のリーマンショック時は、直近ピークの2007年2月期から2009年2月期にかけて営業利益が約650億円落ち込んだ。2011年の東日本大震災時は、逆に営業増益を維持した。今回の下落幅は、過去の経済危機の際に見せたことのないほどのインパクトになる。

今期業績の大幅減益見通しについて、イオン広報・IR担当者は「ある程度の不測の事態が起こることも想定している」と説明する。

パート・アルバイトに一律1万円を支給

その「不測の事態」は、さっそく降りかかってきた。イオンが業績見通しを公表した約1週間後の4月16日、緊急事態宣言の対象が全都道府県に拡大されたのだ。これを受けて、イオングループも全国すべてのイオンモール142店舗と、「OPA」や「ビブレ」などの商業施設を当面の間休業することを決めた。一時休業の間、これまでグループの収益を底支えしてきたイオンモールの賃料収入は実質ゼロになる。

一方で、パート・アルバイトに対する特別手当の給付額は膨らみそうだ。

イオンはもともと、緊急事態宣言で当初対象地域にされた東京や大阪など7都府県に展開するスーパーやドラッグストア、物流センターなどに従事するパート・アルバイトに、一律1万円の特別手当を給付するとしていた。

この時点で「イオングループで十数億円の費用負担になる」(イオン広報・IR担当者)としていたが、対象が全国に拡大されたことに伴い、全国のスーパーやドラッグストアなどのパート・アルバイトに1万円の特別手当を拡大する。この費用負担については、「まだ算出できていない」(同)という。

【2020年4月22日15時59分追記】イオングループの費用負担金額について表記のように修正いたします。

なお、予想の前提となる新型コロナの収束時期について、イオンの吉田昭夫社長は10日の決算会見の席上で、「感染拡大のピークアウトは上期中(3~8月)と想定しているが、消費マインドへの影響は2021年2月期末まで続く」と述べた。

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