「4代目フィット」公道で乗ってわかった実力 「見た目」や「走り」はどのように進化したのか

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「運転席からの景色」――。最初に結論だが、とても斬新! 執筆時(3月20日)はコロナ禍が本格的に蔓延し始めた頃だったが、収束後には、この景色を体感するためにディーラーへと足を運んでいただきたい。フロントウインドーの左右方向視界を先代の69度から90度へ拡大させたことから「パノラマフロントウィンドウ」を名乗るが、ウソ偽りなく目の前に広がる景色はパノラマだ。

なかなかいい例えが思いつかないが、小田急電鉄「ロマンスカー」など観光列車の先頭車両・前席に座っているようで気持ちがいい。

運転席からの景色は、次の2つの意味から実用的。1つ目は死角が少ないこと。前述した2本構成となったAピラー1本目の極細化により、右左折時や急なカーブを曲がる際でもAピラー(柱)の死角が少なく前方確認がとてもしやすい。

新型フィットの運転席からの眺め(写真:ホンダ)

さらにフロントウインドーと車内のダッシュボードを区切る見切り線が水平で、さらにメーターカバーやナビ画面のフードもないから遮られることなく前方に目線がスッと落ち着く。これはいい。先進安全技術に頼らないホンダならではの設計思想を、ともかく一度味わっていただきたい。

衝突時のキャビン強度を高める

2つ目は高い衝突安全性能との両立だ。前述の通り、新型フィットは2本のAピラー構造をもつ。その目的は広い視界と衝突時のキャビン(居住空間)強度を高めること。2本目の耐衝撃用Aピラーは、ボンネットの両脇からルーフ中央にかけてつながっていて、衝突時の衝撃からキャビンが潰れることを抑制する。

さらに前ドア下部からBピラー(前席と後席の中間柱)にかけては、さらに高い強度をもった部材を用いてキャビンを守る。まとめると、1本目の極細Aピラーはフロントウインドを支え、2本目の耐衝撃用Aピラーは周囲の強い部材とのコンビネーションで衝突時の衝撃から生存空間を確保する。

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