ハッカソンで中高生が流山市の問題解決【中】

「顧客調査」を面白くすれば、正しいデータを測れる

新世代リーダー予備軍とも言える10代の優秀な若者は、どんな未来を描いているのか。「スーパーIT中学生」「スーパーTehu高校生」として早くから独自の道を切り拓いてきたデジタルクリエーターTehuが、未来予測を発信。この春、灘高校を卒業して、「スーパーIT大学生」になった。ITや政治、経済、教育、ときにはアイドルや女の子ネタまで書き連ねる。

 

Tehuの言葉  「顧客調査を面白くすれば、正しいデータを測れる」

 

さて、前回に続いて、流山市の課題を解決するためにGoogleとLife is Tech!が開催したハッカソン「Hack 4 Good Teens」についてお届けします。

僕と灘高の後輩がたった2人で組んだチームは、最も難しいと目されていた課題「イベントの満足度などを数値化して次に生かしたい」に取り組み始めました。

ブレインストーミングで起こった議論をこの場で再現しましょう。

イベント参加者も行政側も面白い「顧客調査」に

・イベントの満足度を数値化すること自体は簡単では? これまでにも多くの顧客調査で採用されてきた「5段階評価」を使えば、ひとまず数値を取ることはできる。紙で集まらないなら、それをインターネット上でやればいいのではないか?

・しかしよく考えると、その「5段階評価」の手法って、脆弱な点だらけではないか? だってそもそも主観的な「やや満足している」「まったく満足していない」といったバロメータで満足度を測ることは不可能に近いし、そもそも単調な質問が続くこのアンケート方式では適当に答えてしまう人も多い。この方式を利用する限り、正しいデータは取れるはずがない。

・となると、人々が顧客調査に対して本気になってくれるようにしないといけないのか? しかし、「5段階評価」の手法を採用しなかったところで、顧客調査が調査される側にとってはコストでしかないという事実は変わらないのではないか?

・じゃあ、顧客調査なんてやらないでいいかな。

・やらなかったら満足度が取れないし、本末転倒すぎる。

・せっかくハッカソンなんだし、ハッカソンらしくスマートフォンのセンサーとか駆使して満足度が測れないものか? たとえば、盛り上がりはマイクの音量で判断してみるとか。

・だとするとリアルタイムの反応が取れるかもしれない。それなら、リアルタイムの反応を映像化して、単なる満足度調査を参加型のメディアアート作品にできるんじゃないかな。満足度調査自体が面白くて満足度がさらに上がるっていう展開もありえる。

・行政側も見ていて面白いようなものにしよう。年齢、性別(「男」「女」だけでなく「完全な男」と「完全な女」の間で自由に設定できる)、居住地の流山市からの距離。この3要素を3軸に適用して、描画し、3次元空間上に来場者全員のアバターを表示する。

・カラフルにね。盛り上がってるときに、そのアバターに何らかの視覚的な反応があったら面白いんじゃない? たとえば、アイドルの女の子が特設ステージに出てきたときに、流山市からちょっと離れたところに住んでる20~30代の男性がすごく盛り上がってるのがわかる、みたいな。遠征のヲタ(オタク)が多いなーというのが一目でわかるかもしれない。

・それ超面白い。ついでに、イベントって参加者同士の交流も大事だから、交流したらコネクションが映像に表示されるようにしよう。アバター同士がつながる感じ。片方から片方へ流れ星のように。

・おー、ユーザー参加型が強化されてすばらしい。リアルタイム性というのは行政側からしても面白いだろうし、何よりユーザーが見てて面白いよなぁ。この顧客調査システムだけでイベントが組めるんじゃないかっていうぐらいに(笑)。でも、参加者の交流とか、あったとしても、たとえばiPhoneをBUMP(互いの端末を軽くぶつけて連絡先などを交換できるアプリ)みたいにわざわざぶつけ合ったりするかなぁ?

・それは、おカネで解決しよう。自分と属性(年齢・性別・居住地)が離れている人とつながれば、値段の大きいクーポンがもらえるというシステムでどう? 出店や屋台で使えるようにしよう。

・なるほどね。じゃあ、そのクーポンをたくさんゲットした人ほど、アバターが大きく表示されるようにしようか。頑張っている証拠。

・スマホの自分のアプリにも自分のアバターが表示されるようにして、それをタップすると会場の大きなモニターに映しだされている全参加者の映像の中で自分がズームアップされて表示されるというのもいい。

・何これ、超面白いものができそうな気がする!

・スゴいぞ!

次ページ2日目は六本木ヒルズのGoogle本社で開発
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