コロナ長期化、生保に吹く販売自粛という逆風 広がる対面営業の自粛、業績への影響必至に

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販売自粛の動きはそれだけにとどまらなかった。日本生命と住友生命、第一生命は当面の間、全国の営業職員の訪問を自粛し、在宅勤務にすることを決定した。緊急事態宣言が発令されてない地域も含めて、全国に対象地域を拡大し、5月6日以降も販売自粛が続く可能性に含みをもたせた。明治安田生命や太陽生命、朝日生命など他の生保も同様の対応を検討中だ

保険会社にとって4~5月は新入社員が入社したり、年度初めでライフスタイルが変化するなど、新規の保険契約獲得には重要なタイミングだけに、こうした営業自粛は痛い。

また、日本生命、住友生命、明治安田生命の3社は2020年から新商品として認知症保険を投入している。同保険で販売が先行していた第一生命を追撃する構えだったが、出ばなをくじかれた格好だ。

新型コロナの影響で海外も金利が一層低下し、外貨建ての貯蓄性保険の商品設計が難しくなっている。それを補う商品として認知症保険への期待は高かっただけに、販売自粛は大きい。

新型コロナ機に非対面の取り組み加速

ただ、新規の商品販売ができなくても、生保会社にはすでに保険に加入している多くの既契約者がいる。契約内容の照会や住所変更、保険金・給付金の手続きなど、いわゆる「保全業務」と呼ばれる重要な業務が存在する。こうした手続きは、コールセンターや契約者専用のWebページなどで対応することにしている。

生保各社は近年、業務の効率化や迅速な顧客対応を図るため、ITツールの導入や機能拡充に力を入れていた。例えば明治安田生命は2019年9月、生保業界でいち早く全営業職員に専用のスマホを配布。搭載されたビジネス向けのLINEを活用し、顧客とのコミュニケーション強化に役立てている。

今回の新型コロナの対応でも、営業職員から顧客にLINEを送り、緊急事態宣言の発令後の保全手続きの方法などについて案内したという。

太陽生命はWeb上で医療保険などの給付金請求が迅速に行える仕組みを構築している。診断書などの必要書類をスマホで撮影して送信すれば、白内障や大腸ポリープなど請求件数が多い疾病の場合、同社が書類を受け取ってから最短10分で銀行口座に給付金が振り込まれるという。

新型コロナへの対応をきっかけとし、対面販売主体の生保各社のBCP対策の機運が高まり、非対面での対応強化が加速するかもしれない。

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