コロナでもサムスン、LG電子が営業増益の理由 半導体と家電好調でも、恐れるべきは4~6月
半導体の市況改善とウォン安により、サムスン電子の2020年1~3月期の営業利益は6兆4000億ウォン(約5700億円)を記録した。LG電子の営業利益は前年同期比で21.1%増となる1兆0904億ウォン(約980億円)となり、アナリストにとって大きなサプライズ業績となった。
これにより、1~3月は新型コロナウイルスが業績に与える影響が小さかったことがわかった。しかし、3月からは欧米など主要輸出先市場で生産と販売が崖っぷちに追い込まれた状況となっており、2020年4~6月期はサムスン電子、LG電子ともに業績の悪化は避けられないだろう。
営業利益はアナリスト予想を上回る
4月7日にサムスン電子が発表した2020年1~3月期業績は、売上高が55兆ウォン(約4兆9300億円)、営業利益は6兆4000億ウォン(約5800億円)となった。前年同期比で売上高、営業利益がそれぞれ4.9%、2.7%増えた。
しかし、2019年10~12月期と比べると、売上高は8.1%、営業利益も10.6%減少した。営業利益率は11.6%となり、2016年7~9月期以来、最低となった。とはいえ、営業利益がアナリスト予想の6兆1000億ウォン(約5500億円)を3000億ウォン(約268億円)上回ったことが評価されている。
新型コロナウイルスがサムスン電子に与えた影響が限定的だったのは、半導体の需要が増え、販売価格が上昇したことが最大の理由だ。
韓国・未来アセット大宇のキム・ヨンゴン研究員は、「在宅勤務が増え、テレビ会議やオンライン教育などを利用する人も増えた。そのため、マイクロソフトやグーグルなど主要IT企業がサーバー増設計画を先送りせず、スマートフォンメーカーも新型コロナウイルスの拡散で今後の部品調達に支障を来すことを予想して事前に確保する動きに出た。そのため半導体部門の業績が予想よりもよかった」と指摘する。