伸び続ける煮込みラーメン、「のびない麺」で鍋の具材に定着

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 鍋の「シメ」といえばうどんやおじや、という常識が崩れつつある。永谷園の「煮込みラーメン」は鍋の始めから麺を入れ、ほかの具材と一緒に食べるという鍋料理の新境地を開拓。丸2日かけ常温で乾燥させる独自製法で実現した「のびない麺」の食感が受け、1993年の発売以来、累計2億食を販売した。

「お茶漬け依存」脱却に向け、永谷園がラーメン市場開拓に乗り出したのは90年代はじめ。創業者の故永谷嘉男氏が鍋にラーメンを入れていたことが商品化につながった。

98年にいったん生産終了となったが、根強いファンが多く2003年から秋冬限定で復活。06年には定番のしょうゆとみそに加えて、新たにちゃんこ味を投入。「ラーメンでなく『鍋料理』であることを強調して定着させた」と、マーケティング本部で麺製品を担当する志茂敦史氏は話す。

これで人気に火がつき、販売量は前年比3割増に膨らんだ。翌年以降も新たな風味を加えつつ「野菜をたっぷり食べられる」とうたい、健康志向の面もアピール。販売量は毎年前年を大幅に上回る新たな定番品に育っている。

永谷園の成功を受け、麺最大手の日清食品も今年9月、地域限定で煮込みラーメンを売り出した。節約志向から鍋関連商品は好調が続いており、煮込みラーメン市場も一段と熱々になりそうだ。

(麻田真衣 =週刊東洋経済)

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