「マスクは無意味」の議論にもう意味がない理由 自分はもちろん他人を守る効果を活用しよう

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最後に④「感染していた場合、飛沫によって人に感染させるのを防ぐ」効果を考えてみよう。

WHOなどは、「咳や痰の症状がある人が咳エチケットとしてマスクをする」としており、症状のない人もマスクをしましょうとまではいわれていない。

しかし、永井医師は「新型コロナウイルスも、インフルエンザも、感染の広がりを防ぐためには、すべての人がマスクをつけるべき」と述べ、その根拠として自身らが行った研究結果を挙げる。

「当院で陽性が確認されたインフルエンザの患者さんにアンケート調査を行ったところ、症状が非常に軽く、インフルエンザと思わずに学校や仕事に行けると思っている人が約2割いました。そのうち感染対策ができていない人が約6割いて、インフルエンザを広めてしまった可能性があります」

新型コロナウイルス感染症でも症状がほとんどない人、軽い人がたくさんいるといわれ、その人たちが知らぬ間に感染を広げていると考えられている。

「普通の会話でもしぶきが飛んでウイルスを感染させるリスクがある。常にマスクをしていれば、それを防ぐことができます。マスクは自分の身を守るためだけでなく、相手の身も守るためにつけるべきなのです。不織布のマスクが手に入らず困っている人が多いですが、人に感染させることを防ぐの目的であれば、ガーゼのマスクで十分。2~3枚を洗って使えばいいと思います」

まとめると、ガーゼは不織布に比べて目が粗いので、感染リスクを下げる力は弱いものの、無意識に手で口や鼻を触らないことや、気道の乾燥を防ぐ、人に伝染させないといった効果は期待できるということだ。

素材より大事なのはマスクの付け方

不織布か、ガーゼか。これまで素材に注目してきたが、それよりむしろ永井医師が重視するのは、マスクの付け方だ。電車などに乗っていると鼻を出してマスクを着けていたり、オフィスで会話をするときにマスクを外していたりする人がいる。

「マスクは話すときに飛び出ている細かい飛沫を遮断するためにも重要です。マスクを着用する意味が分かっていない人が多いように思います。会話をするときにわざわざ外す人がいますが、マスクを着用したまま、が大前提です」

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