ロバート・アイガーが退屈な男じゃなかった訳

理想の上司であり理想の部下と呼ばれる所以

2005年から2020年2月までウォルト・ディズニー・カンパニーでCEOを務めたロバート・アイガー会長(写真:Jordan Straus/Invision/AP/アフロ)
ABCテレビの雑用係からウォルト・ディズニー・カンパニーのトップにまで上り詰めたロバート・アイガー会長・前CEO。彼が自ら半生と成功哲学をつづった『ディズニーCEOが実践する10の原則』より、訳者の関美和氏による「あとがき」を抜粋、一部加筆・修正して掲載する。

退任ショック

2020年2月25日、驚きのニュースが飛び込んできた。ウォルト・ディズニー・カンパニーのCEO、ロバート・アイガーがこの日をもってCEOを退くという(2021年12月末まで会長職に留まる)。後任はロバート・チャペック。ディズニーで27年間、映画配給、パーク&リゾート、そしてキャラクターグッズの販売部門を歴任してきたベテランだ。

なぜこのニュースが驚きをもって迎えられたかというと、アイガーの任期が2021年末までと定められていたからだ。もともと予定していた2019年6月の引退を、フォックスニュースの買収と統合を成功させるために2021年の終わりまで延ばしたことは『ディズニーCEOが実践する10の原則』にも書かれている通りだ。

その任期半ばで、しかも新型コロナウイルスの影響で上海と香港のディズニーランドの一時的な閉園が決まったあとということもあり、アイガーのCEO交代のニュースを受けて、ディズニーの株価は大幅に下落した。市場がこのニュースにショックを受けていたことは間違いない。アイガーの交代を伝えるニュースの枕詞に、「この時代の最高のCEOのひとり」「ディズニーをメディア帝国に変えたCEO」「買収の神様」「コンテンツとテクノロジーを結びつけたCEO」というフレーズが使われていたのは印象的だった。

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