アメリカの株価はもう一度下落へと向かう

景気後退は市場予測よりも厳しいものになる

トランプ大統領は「苦しい2週間になる」と発言。市場は楽観的に考えているフシがある(写真:AP/ロイター)

アメリカの株式市場は3月23日がいったんの大底となり、ダウ工業株30種平均はわずか3日で約20%も上昇する記録的な反発となった。この一つのきっかけは、 連邦準備制度理事会(FRB) による大規模な流動性供給や社債市場など信用の引き締まりへの対応などの金融緩和政策が、金融市場で起きていたドルキャッシュ不足を和らげたことである。

さらに、トランプ政権が打ち出している2兆ドル規模の財政政策の実現可能性が高まったことが大きかった(3月27日に下院で可決、ドナルド・トランプ大統領が署名)。GDP対比で10%相当の財政政策発動は戦後最大規模となる。

アメリカはGDP4%超の支出で家計の所得支援

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だが、実際に経済活動をどの程度高めるかは、減税や歳出拡大として経済成長率に直結する分、いわゆる「真水」の金額が重要になる。今回打ち出された財政政策は多くのパッケージが含まれており、真水を正確に計測することは実は難しい。以下では、多岐にわたるプランについて説明していこう。

まず、中低所得世帯に対する小切手などによる給付が大人1人当たり1200ドル、子供には500ドルそれぞれ行われ、総額約3000億ドル程度にのぼる。さらに失業保険による給付を600ドル上乗せして拡充し、失業世帯の生活費を大規模に政府が支援するプランも併せて実現する。給付金額は、失業者がどの程度増えるかによるので、試算には幅があるが約2500億ドルに達するとみられる。

政府が家計に直接給付する経路以外にも、雇用を維持する中小企業に対して約3500億ドル規模で政府が資金支援するプログラムもある。これは、融資制度だが、雇用維持などの条件を満たすことで返済不要となるため、企業を通じて家計の2~3カ月の分の生活費を支援しながら、経済の落ち込みがもたらす解雇増加を和らげる対応である。これらを合わせると家計に対して約9000億ドル、GDPの4%を超えるサイズで所得支援が実現する。

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