アメリカ人が好む、超アナログの決済システム
毎度毎度「中国はすごいぞ話」では肩が凝りますから、最後に心なごむ話題をアメリカから。Wall Street Journal 3月12日付に、ネット大国アメリカで、昔ながらの銀行小切手が相変わらず決済手段として重宝されているという記事がありました。電子決済の5倍のコストがかかるとされる紙の小切手が、2012年、アメリカの企業と消費者合わせて210億枚も発行されたというのです。企業宛の請求書の約半数はいまだに小切手で支払われているそうです。
この記事で思い出したのは、私がピッツバーグに留学したときのこと。移り住んですぐ、地元のPittsburgh National Bankに口座を開いた際に、小切手帳を渡されました。学校の教材などの支払いは小切手で行うことになっていて、生まれて初めて使ってみるとこれが実に便利。日付、支払先、金額を記入してサインするだけです。家賃の支払いはこの小切手を大家さんに手渡して終了。また、J.Crewのカタログ通販でよく服を買いましたが、これも注文書に小切手を添えて郵便で送れば数日後には商品が届くという具合に、とても使い勝手がよく、さすがはアメリカだと、日本の郵便振替や銀行振り込みと比べて感心しました。
紙の小切手を確実に届けるには、郵便インフラが整備されていることが前提条件です。アメリカの郵便は、個人的経験からも信頼度は非常に高く、それはその後のクーリエサービスの発展へと受け継がれています。iPad片手にeBayやAmazonでモノを買っているイメージの強いアメリカ人に、古き良き時代の支払い手段から離れられない人が大勢いるとは、ちょっとほほえましい気がします。
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