「時間管理が難しい」「つい仕事以外のことをしてしまう」といった自律的に働くことに対する強迫観念。その背後にある「上司に仕事をしていないと思われるのではないかと心配になる」「社長や役員などのテレワークへの理解があまり進んでいない」「会社から正当な評価を受けづらい」などといった評価への不安。そして「同僚とのコミュニケーションの量が減る」「テレビ会議などオンライン会議が苦手」など、リアルコミュニケーションの欠如を嘆く声が多数寄せられています。
毎日テレワークをしていると、仲間とのコミュニケーションが希薄になったり、上司から見てもらっている感を実感できなくなったり、孤独感が高まるのでしょう。これまで対面で会話し、会議室で議論するという習慣が身に沁みついていた人ほど、テレワークというよりソロワークを行っているかのような感覚になるようでした。
離れていても心理的安全性
冒頭で紹介したITベンチャー勤務の高田さんはテレワークの孤立感にさいなまれていましたが、それは他のメンバーも同じだったようです。
加えて高田さんはリーダー職だったこともあって、「寂しい」という個人の感情的な問題だけでなく、「チーム全体のパフォーマンスが落ちているんじゃないか」という組織としての問題も感じ始めたといいます。
テレワークはいつもメンバーがそばにいるときに比べ、確かにチームワークを強化しにくい部分はあるでしょう。だからこそソロワークと真逆の「テレチームワーク」に力を費やす必要がありそうです。
そのキーワードは、やはり「心理的安全性」だと筆者は思います。つまりメンバー1人ひとりが恐怖や不安を感じることなく、安心して発言・行動できる状態をつくることです。グーグルのリサーチチームも、「心理的安全性は成功するチームの構築に最も重要なものである」という見解を明らかにしています。
この心理的安全性に関するノウハウは、あちこちで紹介されていますが、多くはリアルな職場でのケーススタディがほとんど。オンラインならではの不安にさいなまれるテレワークにおいて、どのような行動が心理的安全性を高め、チームワークを構築しうるのか。これは今後の組織マネジメントを考えるうえでも、極めて重要なテーマと言えます。
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