にわかテレワーカー170万人が抱く意外な憂鬱

コロナ対策で急に始めた職場が直面する難題

感染リスクは極力減らせますが悩みは尽きません(写真:monzenmachi/iStock)

「最初は通勤の負担がないし、奥さんとの時間も増えるしいいな、と思っていたんです。でもテレワークを始めて2週間くらい経った頃に、ふと寂しい、って。オンラインでテレビ会議とかしているときはいいんだけど、終わると1人でシーンとした感じで……」

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、防衛のために在宅勤務を中心としたテレワークを導入する企業が増えています。コロナ騒動が本格化してほどなくテレワークに踏み切ったITベンチャーでリーダー職を務める高田武さん(仮名、28歳)はこんな話を打ち明けてくれました。

東京都内で新型コロナ感染者の数が増え始めたことを受けて、3月末の首都圏において各都県の知事から外出自粛要請が出されました。JR東日本によれば、3月28日(土)、29日(日)両日の新幹線や山手線の利用者数は前年の同じ曜日と比べて70%減ったとのことで、首都圏の外出自粛要請は人出の抑制において一定の効果をもたらしたようです。

平日にどれだけ外出を抑えられるか

とはいえ、小池百合子・東京都知事は「爆発的な感染増になるかの岐路」であることを改めて強調。出勤する人の多い平日にどれだけ外出を抑えられるかは喫緊の問題となり、多くの企業がテレワークの導入を迫られました。

実際のところ、テレワークはどのくらい進んでいるのでしょうか。パーソル総合研究所が2020年3月9日~15日に全国の正社員2万人程度に対して実施した「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」によると、正社員におけるテレワーク(在宅勤務)の実施率は13.2%、そのうち現在の会社で初めてテレワークを実施した人は半数近い47.8%に上ります。

これを国勢調査に照らし合わせて、約360万人の正社員がテレワークを実施しており、そのうち約170万人が初めて実施したとざっくりと推計できます。パーソルの調査から現在は2週間以上の期間が過ぎているので、「にわかテレワーカー」はもっと増えているはずです。

今回デビューしたにわかテレワーカーは、当然のことながら慣れない環境に戸惑っています。ソフトウェア会社のアドビシステムズが3月4日に発表した「テレワーク勤務のメリットや課題に関する調査結果」では、都内に勤務する過去3カ月以内にテレワーク勤務を経験したことのあるビジネスパーソン男女計500名を対象としました。その中では「通勤の無駄を省ける」あるいは「話しかけられないから集中できる」といったメリットを享受できるとしつつも、経験してみて課題を感じるとの声が散見されます。

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