フリーの人は自衛のために会社を作るべきだ

新型コロナで改めて露呈した少なすぎる保障

遺族年金についてもフリーと会社員で差が出ます。2人は来年あたり子どもを持つ予定ですが、小さい子どもを遺して被保険者が亡くなった場合、その子が18歳になるまで遺族基礎年金が年間約100万円支給されます。

被保険者が国民年金だと保障はこれだけですが、厚生年金加入だと上乗せで遺族厚生年金も支給されます。このとき、さきほどの障害厚生年金と同様、短期加入者には300カ月のみなし保障が適用されます。

例えば、2人で法人成りし、ご主人が給与額を40万円に設定して厚生年金に加入したとします。1年後、不幸にも亡くなった場合でも、40万円の給与で25年働いたものとして遺族厚生年金は計算されます。約50万円の上乗せとなり、これを奥様は生涯受け取ることになるのです。

社会保険への加入で健康保険と厚生年金の保険料がそれぞれいくらになるかは、給与額等をベースにした「標準報酬月額」で決まりますが、それがわかる早見表を2人に見せたところ、ご主人が驚いたように声を上げました。

「えっ、僕たちは毎月国民年金保険料を1万6410円(令和元年度)払っていますが、厚生年金の本人負担分を見ると、給与18万円の人が負担する厚生年金保険料とほぼ同額なんですね。独立したてで収入が少ないときでも頑張って国民年金を払ったけど、同じくらいの保険料で厚生年金の保障が受けられるのなら、社会保険って本当にお得な保険といえますね」

確かに、会社が負担する保険料は全額損金計上、個人が支払う分は全額所得控除できますから、税制優遇を受けながら保障を確保できるというのは、国の保険ならではといえます。

逆境の今、働き方とライフプランを練り直そう

老齢年金についても同様で、厚生年金の上乗せがあるのとないのでは老後の暮らしも大きく変わります。仮に、給与40万円で65歳になるまでの30年間厚生年金に加入したらという前提で計算すると、約80万円の老齢厚生年金が上乗せされることになります。国民年金加入だけの場合より老後のキャッシュフローは大きく改善されます。

「僕たちは利益が出ると、それはそれで税金も上がりますから、会社の経費で社会保険料を落として、個人の保障を手厚くするのもありですね」

とご主人。今回のコロナショックの足元対策として、家計の中で抑えられるところは抑え、しばらくは厳しいやりくりにはなりそうですが、これを機会に今後の働き方、ライフプランを考えることができれば、有益ではないかと思いました。

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