「インターハイが中止になれば休むのかもしれない。後ろに大会を控えている限り、(隠れて)部活をやる学校はなくならないのではないか」
そう危惧する大森さんは2018年のインターハイで、ウォーミングアップ用のウエアに記した文字で人々にメッセージを投げかけた。
そのような取り組みをしてきたから「部活休止になっても、この現実をどう生かすか考えようと選手に問いかけることができた」。
部員たちは、個々でコンディショニングに努める。週に1度は部員と大森さんでZOOMでテレビミーティング。Slackで各々個人練習を記録して、それを共有する。それらについて、大森さんが課題をあげていく。内容はバスケットに関するものだけでなく、自分が興味のあることを部員にプレゼンしたり、聴いてもらいたい曲を提供するなどさまざまな取り組みに発展させている。
さらに言えば「コロナは君たちに何を問いかけているのか」といった哲学的なことにも踏み込む。
活動中止からひと月以上経過する中では、生徒たちが自分たちで集まって練習しようとしたこともあったが、大森さんが「今はやめておけ」とストップをかけた。バスケットボールのBリーグも今季全試合の中止を決定。体育館という密閉された空間の危険性や、ネットスポーツでなく身体接触のあるコンタクトスポーツだというバスケットボールの競技特性も伝えている。
責任の所在を曖昧にし、再開される部活動
一方で、ここにきて部活動の再開を決める自治体も複数出ている。石川県、高知県、佐賀県、沖縄県などだ。
例えば、3月30日現在で感染者のいない山形県は、「春休み(学年末休業・学年始休業)中の対応について」として、教育庁から公立の小中高校に対し3月23日付けで通達。「1か月近く学校を離れていた児童生徒が、感染予防の徹底を図りながら、新学期をスムーズに不安なく迎えるため、別紙に配慮しながら以下の対策を講じる」とし、1日の活動時間を「平日・休日ともに2時間以内とし、休養日についても平日1日、週休日1日以上を必ず確保する」と伝えている(山形県ホームページより)
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