マツダも3月24日、国内の全2工場で生産調整を実施する計画を明らかにした。広島の本社工場と防府工場(山口県)において、3月28日から4月30日までのうち13日間は操業を休止するなどして、輸出車を中心に大幅な生産調整を行う。期間社員を含め、雇用を維持し、従業員には通常の給料の9割相当の休業手当を支払う。事務などの間接部門は業務を続ける。
マツダの今回の停止期間は、2011年の東日本大震災(5日間)やリーマンショック時(10日間)を上回る異例の長さだ。帝国データバンク広島支店によると、マツダとそのグループ会社の製造部門の下請け企業(資本金3億円以下)は849社で、そのうち5割近くが広島県を中心とした中国地方に立地する。マツダの生産調整が長引けば、地域経済への影響も避けられない。
日産自動車も国内外の需要が低迷しているとして、国内の3工場で長期間減産することを決めた。海外向けブランド「インフィニティ」や国内向けの高級車を生産する栃木工場は4月6日~5月1日のうちの14日間、小型車を生産する追浜工場(神奈川県)は4月3日~5月1日のうちの4日間で生産を停止する。SUVなどを生産する子会社の日産自動車九州では、昼夜2交代勤務のうち、4月中の大半の日で夜勤での車両生産を取りやめる方針だ。
サプライチェーンの寸断も発生
新型コロナの影響で海外の部品生産に支障が生じ、国内工場が停まるケースも出ている。いわゆる“サプライチェーンの寸断“だ。ホンダは4輪車の狭山工場(埼玉県)で4月16~17日の2日間、生産を停止する計画だ。今後の部品調達が滞る可能性が高まってきたことが原因という。三菱自動車も同様の理由で、軽自動車を生産する水島製作所(岡山県)の第1ラインの稼働を3月27日から4月10日まで停止することを決めた。
自動車は裾野が広く、日本経済の屋台骨を支える産業でもある。国内で完成車や部品の製造に携わる従業員は約90万人。鉄やプラスチックなどの関連素材を含めると就業者数は約140万人に上る。
豊田社長はかねて「国内生産は石にかじりついてでも守る」と発言してきたが、それはあくまで平時での話だ。アメリカなど主要市場での需要減少やサプライチェーンの混乱が長引き、自動車メーカーの国内生産がストップする事態が続けば、その下請けや周辺産業を含めた国内の雇用にも大きな悪影響が及ぶ。
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