野田線「アーバンパークライン」やはり浸透せず

愛称導入から6年、路線の実力は高まったが…

もっとも、駅名などは改称になっても昔の名前で呼び続ける人も多い。それどころか、今なおJRを「国鉄」、ロシアを「ソ連」という人がいるのも事実だ。むしろ25.3%がアーバンパークラインと呼んでいるのは、ある程度愛称が定着してきているという見方もできなくはない。

改札口上に掲げられた「東武アーバンパークライン」の看板(写真:工場長/PIXTA)

実際、若い世代には浸透しつつあるとみられる。調査では20代の23.8%が「主にアーバンパークライン」、16.3%が「どちらかといえばアーバンパークライン」と呼んでいるとの結果が出ており、合計すれば約4割がアーバンパークラインの愛称を使用していることになる。その理由は「かっこいいから」が中心だという。

サービスは年々改善

アーバンパークラインの愛称を導入する前後から、野田線は大きく変わり始めた。2013年6月には、それまで東武の他線から転入してきた車両のみだった同線にとって初の専用設計の新型車両、60000系が登場。愛称導入後の2016年3月ダイヤ改正では、大宮―春日部間で通過運転を行う同線初の急行列車が新設された。さらに2017年4月のダイヤ改正では初の特急「アーバンパークライナー」が誕生し、浅草方面からの直通運転を開始した。

野田線がアーバンパークラインに「進化」していく中で、実際に利用者数は増えている。愛称を導入した2014年に約92万人だった路線の1日平均乗降人員は、2018年には約96万8000人と約4万7000人増加した。とくに他線と接続する各ジャンクション駅の利用者は大きく伸びており、柏駅は同期間に約13万8400人から約14万8100人へと9700人ほど増えている。

もちろん、ただ愛称を付けたら乗降人員が増えた、というわけではない。そもそも愛称は決して浸透していないのだ。ただ、アーバンパークラインという名前に注目が集まりがちな中、東武は複線化の推進や急行の運転、新車導入など路線への投資を強化し、沿線についても清水公園駅や流山おおたかの森駅付近などでの住宅分譲をはじめ、南桜井や新船橋に保育施設を設けて子育て世代を誘致するなど、グループ全体で力を注いできた。

一方で、路線のイメージアップはまだ追いついていないようだ。東武のネット調査によると、アーバンパークラインのイメージは「田舎っぽい」が41.0%でトップ。次いで「庶民的」が35.1%、「ダサい」が28.8%だった。庶民的というのはいいとしても、これだけ見るとネガティブなイメージばかりじゃないか、と感じるかもしれない。

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