外見同じで工費安い、駅「ホームドア」新時代に 重量軽い素材導入で実現、京三製作所が開発

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京三製作所が開発した軽量ホームドア。手前の扉の外観は従来と同じだが、大幅な軽量化を実現した。奥の扉はガラスの代わりにバーを採用(記者撮影)

悲劇が繰り返された。1月11日未明、JR日暮里駅のホームから男性が線路に転落し、ホームに進入した電車にはねられて死亡するという痛ましい事故が起きた。

日暮里駅は山手線のホームドアは設置済みだが、京浜東北線は未設置。目下、同線ではホームドアの設置を急ピッチで進めており、日暮里駅でも今年の10月以降に設置される予定となっていた。

国は2020年度までに全国の約800駅にホームドアを整備する計画を立てている。2019年度末時点で783駅に整備済み。目標達成は射程圏内だ。とはいえ、設置しやすい駅に設置しているから数が多いという見方もできる。国は1日の利用者数が10万人を超える駅を優先的に整備するとしているが、該当する279駅中、2019年度末時点の整備済みの駅は123にとどまる。

コストと「ドア位置」がネック

ホームドアの設置は簡単ではない。最大の理由はお金だ。メーカー側は価格を明らかにしないが、例えば東京メトロは2025年度末までに全路線にホームドアを設置する目標を掲げており、その費用は602億円。全179駅で割れば、1駅当たり3.3億円強ということになる。これは設置費用を含んでいないので、トータルコストはさらに膨らむ。国や自治体が設置費用の一部を補助する制度もあるが、それを使っても鉄道事業者にとっては厳しい負担となる。

お金の問題だけでなく、物理的な問題もある。列車によってドア位置が異なり、ホームドアの位置と列車のドア位置がそろわないという路線もある。しかし、この問題については鉄道事業者とメーカーの両方が解決に向け取り組んでいる。鉄道事業者は列車のドア位置の統一化を進めており、メーカー各社は開口部を広くしたホームドアを開発している。

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