外見同じで工費安い、駅「ホームドア」新時代に 重量軽い素材導入で実現、京三製作所が開発

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最も軽量なパイプタイプの重さは戸袋と開口部合わせて240kgだ。パンチングメタルタイプは250kg。ガラスタイプは、「重さは250kgを少々超えますが、約半分という表現に十分当てはまると思います」と同社の担当者は胸を張る。

このガラスタイプのホームドアが、昨年11月27~29日に幕張メッセで開催された鉄道技術展で公開された。「ご覧になっても違いを実感していただけないのが残念です」と、同社の担当者が苦笑い。かえって、見た目がまったく同じというのがセールスポイントになるのかもしれない。

軽量化に向けて、従来よりも軽いガラス素材を用いたほか、ほかの部分にもアルミや樹脂など強度が高い軽量素材を活用した。また、本体の構造上、荷重がさほどかからない場所は薄くするなどの工夫を施した。

ドア開口部の幅も3m40cmある。同社の従来型ホームドアの開口部は2m80cm~3m19cmだったので、それよりも広い。停車位置が多少ずれた程度であれば、この幅で十分対応可能だろう。「3タイプのどれを選ぶかは、鉄道事業者が決めること」と、同社の担当者は話すが、利用者目線で言えば、従来タイプと見た目が変わらないガラスタイプは安心感がある。

ホームドア開発競争は新時代に

気になるのは製品価格だが、これは非公表。「重さが半分だからといって、価格が半分になるわけではありません」(同社)。ただ、ホーム補強工事の負担が減る分、トータルコストは確実に下がりそうだ。すでに鉄道事業者からの引き合いはあるといい、近いうちにこの「重さ半分」ホームドアを採用した駅がお目見えしそうだ。

従来型ホームドアの設置が進んだ時代を第1ラウンドとすれば、ロープ型、バー型、引き戸型などの新型ホームドアの百花繚乱の時代は第2ラウンドとなる。そして、見た目が変わらず重さ半分のホームドアの出現は、第3ラウンドに入ったといえるかもしれない。

先鞭をつけたのは京三製作所だが、同製品が鉄道事業者から高く評価されれば、ライバルメーカー各社も同タイプの製品の開発に参入するだろう。ホームドア開発競争は新たな時代に突入しようとしているかもしれない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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