東京駅の片隅に残る「中央線複々線化」夢の跡

60年以上前の計画、ホームの屋根柱に名残り

東京駅を発着する中央線の快速電車(筆者撮影)

東京都心と西の八王子方面を結ぶJR中央線。東京―御茶ノ水間は複線(上下2本)だが、御茶ノ水―三鷹間は複々線(同4本)だ。このうち2本は、四ツ谷など一部の駅にしかホームが設置されておらず、おもに東京駅を発着するオレンジ帯の快速電車が走る。

残り2本の線路はすべての駅にホームが設置されており、黄色い帯の電車が各駅停車で走る。東京―御茶ノ水間の複線は快速電車「専用」のため東京駅には乗り入れておらず、御茶ノ水駅から総武線(各駅停車)に入り、千葉方面へ直通している。

ただし早朝と深夜に限り、東京駅を発着する各駅停車が走っている。東京―御茶ノ水間を走ったオレンジ帯の快速電車が、御茶ノ水駅で各駅停車の線路に転線。総武線(各駅停車)の電車は中央線(各駅停車)の線路には乗り入れず、御茶ノ水駅で折り返す。

東京―御茶ノ水間も複々線化の計画

今年3月14日のダイヤ改正で、中央線の快速電車は終日快速運転に。中央線(各駅停車)も総武線(各駅停車)に終日直通するようになる。東京駅を発着する「各駅停車の快速電車」は消滅することになった。

実は1950年代には、東京―御茶ノ水間も複々線化する計画があった。もしこれが実現していれば、いまごろはオレンジ色の快速電車だけでなく黄色の各駅停車も東京駅に乗り入れていたかもしれない。

中央線は戦前の段階で御茶ノ水―中野間が複々線化されていたが、戦後の復興に伴い混雑が激化。1955年度の混雑率は快速電車が最大280%、各駅停車も243%という有様だった。200%台の路線は当時としては珍しくなかったが、放置できる問題でもない。

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