「児相への支援」はコロナ対策から学ぶべきだ

十分な装備が必須、新人ではなく「専門家」を

コロナウイルスの各国の対応を鑑みて、日本政府は児童相談所の職員をどう支援すべきでしょうか(写真:maroke/PIXTA)

私は社会福祉学のマクロ(政策)を中心に研究しています。研究には行動経済学、医療経済学、公衆衛生・疫学、データサイエンス、社会保障などのさまざまな専門知識が必要です。さて今回はコロナウイルスの対応から学ぶ児童相談所への支援について述べたいと思います。

コロナウイルスの対応から学ぶこと

コロナウイルスへの対応についてとくにイタリアでは厳しい状態です。イタリアでは9人の医師が死亡し、医師や看護師など医療従事者の感染者は2629人に上り、圧倒的に医療従事者が不足しています。そのため、イタリア政府は医師資格試験を免除し、約1万人の医学生を通常より8~9カ月早く医療現場に送る意向を明らかにしたとのことです。

イタリアは総力を挙げて対応しており、他国も支援をしています。しかし危惧されていることは、新人が投入されることによって(専門医のレベルではないが専門家とされてしまう)医師、つまり専門家が罹患(りかん)してしまうことです。これは絶対に防がなければならないことです。よって初期対応を求めるあまり拙速に判断すると、ダイヤモンド・プリンセス号のDMAT(Disaster Medical Assistance Team、専門的な訓練を受けた医療チーム)のように十分な防護服などもなく投入したために1人の感染者を出すことになってしまうのです。

一方、支援をした自衛隊は2700人を投入しましたが感染者がゼロです。これはDMATが悪いのではなく、十分な物品(清潔なマスクなど)がない状態では、専門家であっても感染するということです。つまりダイヤモンド・プリンセス号への対応については専門家であったため、罹患がこの程度だったのですが、これが新人であったらさらに被害が拡大したでしょう。

よってDMATも今回対応した自衛隊のチームにも卒業後の新人は絶対入れません。専門のトレーニングを受けた人のみが入れるのです。この評価については行動経済学や公衆衛生疫学の方の論文にこれから期待するところですが、少ない資源や予算で対応しているDMATや自衛隊には頭が下がる思いです。

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