苦境を脱せぬ不動産市況、住宅着工は100万戸割れ 


 マンション大手の穴吹工務店が会社更生法の適用を申請--。2007年にマンション供給戸数でトップになった穴吹工務店の経営破綻は、改めて不動産業界の不安定な現状を印象づけた。

さらに厳しい業界事情を伝えているのが新設住宅着工戸数。09年度は100万戸割れが濃厚だ。同戸数は1967年度に100万戸の大台に乗せた後、一貫して100万台を維持してきた。

しかしサブプライム問題の影響で、07年度は103万戸と100万戸割れ寸前に落ち込んだ。09年度に入ってもそのペースは変わらず、月間6万戸前後で推移している。

暦年ベースでも、1~10月までの累計で65万戸。残り2カ月間を加えても、100万戸割れするのは確実。80万戸割れの可能性すらある。100万戸割れなら42年ぶり、80万戸割れなら東京オリンピックの64年以来、実に45年ぶりとなる。

業界からは「少子高齢化で100万戸割れは想定していたが、5年前倒しで来た感じだ」(ミサワホーム)と驚きの声も出ている。

賃貸アパートも苦戦

過去10年間のトレンドを見ると、特に持ち家の減少傾向が際立つ。理由は雇用や収入など経済の先行き不安が続く中で、住宅保有層の建て替えや新規の住宅建設が減少しているためだ。

一方、賃貸住宅と分譲(マンション、戸建て)は比較的落ち込みが少ない。首都圏だけで見ると、賃貸住宅などは増加している。これは大東建託やレオパレス21などに代表される、相続税対策を狙った賃貸アパートが拡大してきたためだ。一方、分譲も安価な建売住宅を量産するパワービルダーや、マンションデベロッパーによる大量供給が続いてきたことが背景にある。

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