日本人研究者が語る韓国での半地下"隔離"生活 新型コロナ対策、韓国と日本の大きな「差」
医療用の使い捨てマスクは、住民登録番号による事実上の配給制になりました。政府は洗濯可能な布マスクを使用するようにと奨励していますが、効果がないと批判されています。私はつい先日、ようやく布マスクを購入できました。
症状や感染の可能性に応じて自宅や収容施設で隔離をさせるなど徹底されています。
隔離に応じない場合、1年以下の懲役または1000万ウォン(約90万円)以下の罰金が科せられるように法改正もされました。また宗教行事を強行して感染を拡大させた宗教法人に対して、ソウル市長が殺人罪などで告発するなど強硬な手段にも出ています。
ただし、感染(疑惑)者への対応は手厚く、自宅隔離では世帯人数に応じて生活支援費が支給されたりしています。
学校が休校になったときも、保育所はきちんとオープンできるようにと、優先的にマスクを配布するなど、保育士や子どもを守ろうとする意識はあるようです。
韓国全土で大量の検査を可能にした副産物
韓国全土で大量の検査が人員的に可能なのは、徴兵制の副産物だと思います。医療系の有資格者は軍務の代替勤務として遠隔地で働く制度があります。だから国が指令を出せば、すぐに動員できるので、対策が進んだのでしょう。
日本が韓国からの入国者を制限したときに反発が起きたのは、そういう対策や検査を徹底的にやっている自負があるからです。対策が後手後手に回っていて、検査数が少ない日本に指図されたくないという意識があったのでしょう。
日本が五輪開催に固執して、故意に検査数を少なくして、感染確定者数を抑えているのではとの陰謀論をよく耳にします。
日本も今後、緊急事態宣言などで国民の私権を制限することがあれば、それを補償する対策が必要だと思います。今のところ、現地の日本大使館などに帰国の問い合わせをしても反応がありません。
しばらくは、異臭が漂う暗い半地下の部屋で、航空券の予約検索を続けながら日本に帰れる日を待つしかなさそうですね……。
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