世界経済危機で経営者が犯しやすい10の過ち コトラーが教える「乱気流」時のマネジメント
『ビジネスウィーク』誌がまとめたリストも見ておこう。景気低迷期や乱気流期に対処しようとして、企業が犯す重大な過ちトップ10である。
①有能な人材を解雇する
②技術費を削減する
③リスク覚悟で思い切ったことをしない
④製品開発をやめる
⑤トップを成長志向型からコストダウン志向型の人物に代えてしまう
⑥グローバル化路線から撤退する
⑦重要戦略である新たな取り組みをトップが撤回してしまう
⑧業績指標を変更する
⑨協調路線よりも序列関係を強化する
⑩安全な場所に逃げ込む
予算が苦しいとき、企業がより保守的になるのはもっともなことだ。しかし、リスク覚悟でやってみようとしない、製品開発に投資しない、協調路線の必要性を見誤る、こうした企業は、景気が上向きになったときに太刀打ちできなくなってしまう。
カオスには、いまがどんな状況であろうと、そこに機会を見出す企業に有利に働く傾向がある。それが本質的に、いい意味での自然淘汰というカオスそのもののプロセスといっていいだろう。そこでは企業の勝ち負けがはっきりと決まってくる。今日トップにいる企業が明日にはトップではなくなっているかもしれないし、その逆もありうるのだ。
厳しいときにこそチャンスがある
先のリストを見れば、新しい取り組みを続ける力があることこそが、競争力を維持し、ライバルに差をつけるために残された数少ない手段であることに気づくはずだ。新たな取り組みいかんで、業績・成長・株価が変わるのだ。
景気が厳しいときに研究開発や新製品開発に投資している企業は、引き続き収益を上げることになる。上げるどころか、景気が最も厳しい時期に決まって現れて、なにか斬新なものを武器にライバルをほぼ間違いなく打ち負かす、勝ち企業となるはずだ。
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