鉄道マニアの「マナー違反」、昔はどうだった?

線路立ち入りで緊急停止続く、置き石事件も

正真正銘の重大事件になったケースもある。例えば1984年に福井県で発生した、いわゆる「置き石」による列車妨害事件だ。当時17~23歳の大学生や高校生らが、トンネル内の線路上にコンクリート製のふたを置き、急行列車がこれに乗り上げて停止。脱線こそしなかったものの、一歩間違えれば大惨事になるところだった。

逮捕された大学生や高校生は警察の調べに対し、「これまで列車事故の救援の車両(筆者注:クレーンを搭載した操重車など)を撮ったことがないので、列車を脱輪させて撮ろうと思った」と供述したという(1984年12月14日付朝日新聞東京夕刊)。

鉄道趣味の分野に限らないが、ルール・マナーの問題は難しい。「不心得者」はどうしても一定の割合で出てくるから、趣味人口が増えればルール・マナー違反が出てくるのも当然といえば当然だ。

「最近の話」「世代の問題」ではない

そもそも、軽微なルール違反やマナー違反にとどまっていれば、数値的な統計にも出にくい。

線路に近寄りすぎの鉄道マニアたち(写真:ひよまん/PIXTA)

ルール・マナー違反が昔に比べて増えているのか減っているのか、はっきりしないのだ。最近増えているように感じることもあるが、それはインターネットなどメディアの発達によって、あらゆる事象の可視化が進んだ影響も大きいのではないかと思う。

昔からあるのだから仕方ない、はっきりしないから仕方ない、というつもりは毛頭ない。とくに鉄道の場合、安全がすべてにおいて優先される公共交通だから、ルール・マナー違反に関しては厳しく対処する必要がある。そうでなければ安全を保てない。

ただ、鉄道マニアのルール・マナー違反を「最近の話」としてとらえ、「世代」によって区切るのはやめておいたほうがいいだろう。「俺が若いころはルール・マナー違反はなかった」などと声高に主張しても、実際はそれぞれの時代にルール・マナー違反があったのだから。

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