鉄道マニアの「マナー違反」、昔はどうだった? 線路立ち入りで緊急停止続く、置き石事件も

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釜石線「SL銀河」を撮影する鉄道マニアたち(写真:yamahide/PIXTA)

東京メトロ日比谷線を30年以上走り続けた03系電車が、事前の発表がないまま2月28日限りで運用を終了した。千代田線の6000系電車が運用を終了(2018年11月)したときは特別運転を行うなどのイベントがあったのに比べると、かなりそっけない印象だ。

東京メトロは「千代田線6000系車両引退時、一部の鉄道ファンが車両やホームに殺到したことによる混乱により、運行に支障や、多くのお客様にご迷惑がかかる事態となった」として、03系の引退イベントは見合わせたとしている。

03系は死傷者を出した脱線事故(2000年)を引き起こしており、イベントをやりにくいという事情も背景にあったと思われるが、直接的には6000系の件が引き金になったのだろう。

千代田線の混乱受けイベントせず

確かに6000系の最終運転の際、東京メトロはロープを使って通路を確保したり、客に対して分散乗車を促したりしたが、それでも鉄道マニアとみられる多くの客が先頭車に集中し、激しい混雑に。車内では子供が倒れたり怒号が飛び交ったりする事態になったという。

これに限らず、鉄道写真の撮影地で、鉄道マニアが線路際の田畑に立ち入って作物を踏み荒らしたり、線路内に入って列車を停止させたりといった話をときどき聞く。SNSではルール・マナー違反が報じられるたびに「一部のマニアのせいで全体が悪く言われる」と嘆く声であふれかえる。

ただ、鉄道マニアのルール・マナー違反が「取り上げられること」が近年増えたようには思うが、ルール・マナー違反自体が最近になって増えたようには思えない。この類いの問題は昔からある。

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