コロナが就活の「面接」を根本的に変える理屈 Web面接で「盛る学生vs. AI頼みの企業」に

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就活生にとっても企業の採用担当にとっても「面接における緊張」という問題は昨今、われわれが想像する以上に大きな問題になっているのです。真剣勝負前のリラックスできる場づくりという重要な局面では、むしろ「非対面」であることはメリットともいえそうです。

ただ、緊張を解きほぐし本来のチカラを引き出せたとしても、見極めるための「素」が引き出せたことにはなりません。企業側がWeb面接で学生の本質を見抜くのは簡単ではないでしょう。それは、実際に会うことで得られる「五感で感じる情報」の量が少ないということだけでなく、オンラインコミュニケーションに長けた学生の上手な「盛り」を見破ることが難しいからです。

デジタルネイティブと言われる今の就活生は、SNSなどのオンラインコミュニケーションを中心とした生活を送っていて、総じてリアルコミュニケーションが苦手です。人生の中でもかなり重要な局面といえる「就活面接」は “ガチ”でハードルが高い場面。Web面接のほうが、かえって自然体で臨むことができ、本来の自分をアピールしやすい。そう感じる学生が多いのもうなずけます。

キャラ盛りを見破れるか

その分、SNS世代の特徴としては強いキャラ意識があげられます。学生に聞いてみると、「ツイッターのアカウントは3つ」「インスタグラムのアカウントは2つ」などというのが当たり前。

例えばツイッターの場合、「リアルの友達用」「バイトのつながり用」「学校のゼミ用」などと、目的によって複数のアカウントを使い分けています。そして「学校のゼミ用」ではまじめキャラ、「リアルの友達用」ではお調子者キャラ、といった感じで自分のキャラを演じ分けていることも珍しくありません。

こうしたキャラ盛りはリアルな面接でも見られますが、やはり彼らのホームグラウンドであるオンライン上(例えば動画投稿でのWeb面接など)で、より見事に発揮されます。

日常生活でYouTubeなどの動画サイトに慣れ親しんでいて、どんなストーリーがウケるか、どんな画角が映えるかなど効果的な情報発信方法を熟知している学生も多く、自己PRを自撮りするとしても、絶妙にキャラを設定し、そのキャラをうまく盛っていけるのです。

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